2026年4月13日、『5時に夢中!』(TOKYOMX)のスタジオにマツコ・デラックスさんが2か月ぶりに戻ってきた。2月、首の脊髄が圧迫され緊急手術を受けたことが明らかになり、療養に入っていたマツコさん。だがこの日、開口一番に飛び出したのは「今日も1時間前までバックレてやろうと思っててた」「本当に働きたくない!」――そんな言葉だった。2月、首の脊髄が圧迫され緊急手術この入院・療養の影響で、出演予定だったNetflixの新番組『ブラックオークション~禁断の入札~』の制作も白紙となったが、公開された動画ではマツコさん自身が現在の心境について「体は大丈夫だが、心が追いついていない」「仕事だけの人生になってしまっている」「プライベートの充実がないと満たされない」と、これまで表に出すことのなかった内面をさらに言葉にした。マツコさんが続ける理由はどこにあるのだろうか。2025年、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)がインタビュー内容を「中国ではカラスを食べる」と意図的に編集。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が同番組の編集に関し、放送倫理違反があったとする意見書を公表した。この顛末を受けてマツコさんは「私たちもいけないしね。VTR見ながら『こんなんじゃダメだ』みたいに言うわけじゃん? 反省もすごいあるのよ」と自省している。確かに、番組内のやり取りでも、VTRに登場した面白い素人を見つけると、すぐに使い倒して消費されすぎないよう「もう少し寝かせておきましょう」と制作側に意見している様子が、放送でも何度か見られた。つまり、長寿番組の質を守る役割を、MCの仕事と同義に捉えているといえるだろうか。そしてそれは、テレビタレントとしての使命なのか。その一端が分かるのは2020年のインタビュー記事(週刊女性PRIME)だ。そこで、マツコさんは「テレビがアタシに辞められたら収入的に厳しいというのならば、世話になったところが滅びる日まで付き合おうと思っています」と語っていた。愛着や執着ではなく、番組に携わるスタッフ、さらにはその家族の生活を支えるという義理と責任感から、スタジオに立ち続けてきたともいえるかもしれない。さらにマツコさんを踏みとどまらせているものとして考えられるのは、2025年の事務所トラブルだ。旧所属事務所「ナチュラルエイト」では、社長による金銭トラブルが発覚し、2025年7月、くりぃむしちゅー、有働由美子とともに新事務所「チャッターボックス」を設立。芸能界における「育ての親」でもあった旧社長の失踪という事態が起きている。番組に姿を見せ、スタッフに意見し、事務所を回し続ける。その姿はマツコ・デラックスさんの唯一無二の存在感を際立たせている。(川瀬孝雄)
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