開店と同時に走り込んだり、店員を怒鳴りつけたり......。「転売ヤー」と呼ばれる人たちのこうした迷惑行為が、深刻な社会問題になっている。そんな中で、家電量販店大手のビックカメラとヨドバシカメラが行っている転売対策が、脚光を浴びている。「転売目的の方への販売は固くお断り」「クイズ問題に答えて正解した方のみ販売致します」「ご案内」とするカードゲームコーナーの掲示には、こんな目を引く注意喚起が書かれていた。人気が過熱気味のポケモンカードゲームについて、1人1ボックスまでに限って販売するという内容の掲示だ。そこでは、「購入条件をご確認ください」として、クイズ正解者のほか、ポイントカード・アプリを持っている、パッケージのビニールを外してミシン目は切り取る、といった3つの条件を挙げていた。そして、「転売目的の方への販売は固くお断りしております」と強調されていた。この掲示は、ビックカメラの池袋西口店に出されたとして、2026年4月27日にX上で写真が投稿された。カードゲームコーナーには、転売目的らしくクイズを必死で覚える外国人の姿が多くあったが、なかなか答えられていなかったという。買うのをあきらめて帰る姿も目撃したとしている。写真の投稿者は、転売防止に効果があるとして、ビックカメラの全店でやってほしいと訴えていた。また、ライバルとして知られるヨドバシカメラでも、転売対策とみられる掲示があったとして、翌28日に、その写真がXで投稿された。富士フイルムから24日に発売されたインスタントカメラ「instaxmini13」について、その購入に条件を設けているという内容だ。掲示では、ポイントカードも兼ねたクレジットカードを持っており購入履歴を残して会計できること、色違いを含むこの新商品を購入したことがないことを条件に挙げた。運転免許証などで本人の身分確認も行うとも告げている。店員が転売目的と判断したり他の客に迷惑行為をしたりしたケースは、商品の販売を断るとしている。「商品が本当にほしい客を守ろうとしている」ヨドバシカメラの掲示写真の投稿者は、商品が本当にほしい客を守ろうとしているとして、同社が本気を出した転売対策だと賞賛していた。これらのX投稿は、大きな反響を呼んで、「いいね」が多数集まっている。商品購入について、「(クイズの)答え分からなくて買えなかったら恥ずかしい」「ユーザー側はハードル上がる」との意見もあったが、理解を示す向きは多かった。「多少の不便よりフェアさ優先なのは納得感ある」「転売のコスト上げてるのうまい」などと書き込まれていた。池袋西口店の掲示について、ビックカメラの広報担当者は5月7日、J-CASTニュースの取材に対し、「本当に商品を必要とされているお客様に適切に行き渡ることを目的とした転売対策の一環として実施しております」とメールで答えた。実施したクイズについては、「ポケットモンスターという作品を愛していただいているお客様であれば無理なく回答できる内容となっております」と説明した。具体的な出題数や出題方法などの詳細については、「転売対策の観点から公表を控えさせていただいております」とした。そして、「クイズに限らず、商品や地域の状況に応じて、ご本人様確認や購入履歴の確認などを含め、さまざまな方法を組み合わせた転売対策を実施しております」と述べた。今後についても、「お客様の利便性と公平性のバランスを考慮しながら、最適な対応を行ってまいります」としている。一方、ヨドバシカメラの広報担当者は4月30日、インスタントカメラの新商品について、本部が示した案を元に、一部店舗で発売日以降に掲示を出していると説明した。「本当に手に入れたいお客様に買っていただけるように、商品の転売対策をしているというのに尽きます。全部の商品ではなく、一部人気商品を対象に、混み合う店舗で掲示を出しています。お客様からは、『他では買えなかったけど、ほしかった商品を購入することができました』という声をいただいています」(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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