山梨県に屋内50mプールがない 小学生の訴えに五輪メダリスト「これでも考え直してはいただけないのでしょうか」

   水泳選手らが山梨県での屋内「50メートルプール」の建設をめぐり、SNSで発信を行っている。

  • なぜ、山梨県で50メートルの室内プールができないのか(写真はイメージ)
    なぜ、山梨県で50メートルの室内プールができないのか(写真はイメージ)
  • 山梨県内の小学生からも切実な訴えが寄せられている(鈴木聡美選手のXから)
    山梨県内の小学生からも切実な訴えが寄せられている(鈴木聡美選手のXから)
  • なぜ、山梨県で50メートルの室内プールができないのか(写真はイメージ)
  • 山梨県内の小学生からも切実な訴えが寄せられている(鈴木聡美選手のXから)

「山なし県に屋内50mプールを作ってほしいです」

   ミキハウス所属の競泳女子・鈴木聡美選手は2026年5月7日、「代表合宿から帰って、大学のプールに県内の小学生からお手紙が届いておりました」として、小学生の手紙を公開した。

   写真に写った手書きの手紙には、「神田かんとくとすず木せん手におねがいがあります。山なし県に屋内50mプールを作ってほしいです」とのお願いが書いてある。

   手紙によると、屋外プールでは「暑くて、タイムが出ないし、熱中症のきけんがあります」。国際水泳連盟の規定では「水温は28度以下」とされているが、30度を超えることもあるという。

   32年に国民スポーツ大会が開かれることを踏まえ、「せん手・コーチ・しんぱんみんなが、安全に大会を開さいできるようにしてほしい」と訴えていた。

屋内プールの維持費踏まえ「大会」開催を提案

   手紙の主は屋内プールの維持費についても考えたといい、山梨の名産であるさくらんぼや桃、ぶどうの旬に、「サンリオカップ」を開き、選手や観光客を誘致したいと主張。知事や市長、サンリオにも手紙を送ったとしていた。

   メインプールやサブプールの構想図、「サンリオカップ」の大会グッズのイメージイラストなども添えられている。

   丁寧なプレゼンに、鈴木選手は「ただのファンレターではありません たぶん、色んな人と相談しながら考えてくれたんだと思います」とコメント。

   山梨県庁の公式Xアカウントに向け、「これでも考え直してはいただけないのでしょうか?」と呼びかけた。

   鈴木選手は12年のロンドン五輪で銀メダル1個(女子200メートル平泳ぎ)、銅メダル2個(女子100メートル平泳ぎ、女子400メートルメドレーリレー)を獲得したことで知られている。

30年前から山梨県に屋内50mプールができると言われ続け

   シドニー五輪競泳日本代表の萩原智子さんも同日、この投稿に反応した。山梨県出身の萩原さんは、「私が小学生の頃(30年前)から山梨県に屋内50mプールができる! と言われ続けて現在に至ります」と振り返り、「32年に山梨県にて開催される第86回国民スポーツ大会・第31回全国障害者スポーツ大会に向けて、仲間と知恵を絞って要望書等を作成し、各方面にお話をしていますが...難しい状況です」と明かした。

   その上で、「建設費や維持費が必要になることは承知しています。しかしプールの役割は泳ぐだけではありません。有事の際に大切な防災拠点にもなります。そういった観点からも再考していただけますと幸いです」と呼びかけている。

10年前には屋内プール建設を検討となったが

   山梨県の公式サイトで公開されている「県有スポーツ施設整備の基本方針」によると、「県が保有するスポーツ施設は、昭和61(1986)年の『かいじ国体』開催に合わせて整備されたものが多く、施設の老朽化や施設基準との不適合など、一部施設について今後の継続的な利用が懸念されています」という。

   16年2月に公開された資料では、県内には「小瀬スポーツ公園」に日本水連公認の屋外50メートルプールがあることがわかる。しかし、屋内プールは「緑が丘スポーツ公園」の25メートルプールが確認できるのみだ。

   「新設要望のある施設」の欄には「屋内50mプール」が挙げられており、「次期国民体育大会について、県内に大会施設基準を満たすプールが無く、整備した場合、競泳会場として使用が可能」と説明。

   当時の展望としては、「次期国体の開催に合わせ、小瀬スポーツ公園屋外プールの建て替えを行うこととし、その際、屋内プールとすることを検討する」とされていたが、その後の動きはない状況とみられる。

姉妹サイト