後半国会の焦点のひとつ「定数削減法案」(身を切る改革)は、与党内の意見の違いもあって成立への見通しがつかない。一方で、議員の質低下、小粒化が進み、その「議員に代わるAI」が存在感を増しつつあるという。
「国民より政党の方を向く小粒な政治家」増える
定数削減法案は2026年明けの解散で廃案となり、今国会で再提案を目指しているが、自民党内に慎重意見がある。総選挙前には、「政治改革の柱として衆議院選挙制度の抜本改革を実現する超党派議員連盟」に全政党・会派の200人余りの議員が集まって、選挙制度改革の動きが盛り上がったが、総選挙後はその勢いがトーンダウンした。
議員連盟の幹事長だった福島伸享・前議員は、現行の小選挙区比例代表制は比例重複立候補を可能にしたことで、「政治家は大政党や人気政党に所属することを目指し、地元や国民よりも政党のほうを向くようになった。自らの政治哲学や政治理念を語るのでなく、党の方針をコピーするだけの、質の低い小粒な政治家が多くなっている」と批判する。
AI答弁「官僚が実際に作った答弁と比べてほとんど遜色はなかった」
こうしたなかで、政府の生成AI利用環境「源内」が2026年5月から、国会答弁づくりなどに本格活用される。全府省庁の職員約18万人を対象に実証事業を始めた。
朝日新聞の松田京平・編集委員のコラムによると、参院の特別委員会の答弁にAIを使った松本尚デジタル相は、「ある程度具体的に書いてある質問通告をもとに作らせてみたら、官僚が実際に作った答弁と比べてほとんど遜色はなかった」そうだ。チームみらいは、AIで有識者や業界人に質問、法案への意見を短時間で集めて国会質問に生かすという。生身の議員が本会議中に居眠りをしている間に、AIに追い越されかねない。
高市チルドレン、結構忙しい地道な日常が続く
一方で、自民党の大勝で初当選した66人の「高市チルドレン」はどうしているのか?
特別国会が始まった2月17日に自民党は研修会を開き、「メディアの取材やSNSの発言には気を付けるように」などとくぎを刺した。そのせいか、大きな失言や不祥事はなく、議員としての「地道な日常」が続いているようだ。
比例代表北陸信越ブロックで20位で当選した古井康介議員(30)のように、地元放送局に日常活動を追いかけられるチルドレンもいる。朝9時からの総務委員会で、通信・放送・郵便事業の海外展開に関連する法律の改正案を議論。10分後に、別のフロアで開かれていた、地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会に移動。大臣の所信などを聞いてすぐに、総務委員会に戻り、昼まで続いた。昼は自民党本部での治水に関する議員連盟の総会に駆けつけ、ビーフカレーをかき込みながら、説明に耳をかたむけた。結構、忙しい。
田中真紀子氏「議員に筆記試験はどうですか、歴史とか外交の問題とか」
そんな国会議員の最近の日常風景を見て、田中真紀子元外相(82)が、動画の対談でこう語った。
「筆記試験はどうですか。最低限の歴史とか外交の問題とか、基本的なことが分かっているか。あとは、父(田中角栄元首相)のころにやっていた立会演説会。候補者がみんな集まって有権者が聞きに行く。質問を投げて、それに答えさせる。そうすると、意味が分かっていない人もいるし、しどろもどろになる人もいる。それを見て、有権者が選べるじゃないですか」
有権者が質問する立会演説会には、委員会や記者からの質問に答える場面が少ない高市首相にもぜひ、参加してほしい。
(ジャーナリスト 菅沼栄一郎)
ガバメントAI「源内」をオープンソースとして公開
— デジタル庁 (@digital_jpn) April 24, 2026
デジタル庁・中央省庁で展開中の生成AI利用環境「源内」の一部を商用利用も可能なオープンソースとして公開しました。ぜひ皆さまの環境でも「源内」を再現・活用ください。
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