兵庫県の百条委員会に参考人として出席した、公益通報に詳しい上智大の奥山俊宏教授が執筆した『兵庫県告発文書問題』が岩波書店から出版された。
兵庫県の斎藤元彦知事は2026年5月13日、定例記者会見でこの書籍に関する質問を受けたが、「特定の書籍の内容についてお答えするのは差し控えたい」と述べた。
百条委で知事の対応を「法律に違反」と指摘した専門家が執筆
奥山教授は百条委員会へ出席した際、知事の対応の違法性を指摘して、公益通報者保護法に違反するとの見方を示していた。
『兵庫県告発文書問題』では、告発文書問題の経緯を振り返りながら、公益通報者保護を巡る県の対応の問題点やSNSと選挙の問題にスポットを当てている。また、奥山教授は9日に自身のXで書籍の増刷が決定したと投稿した。
13日の会見では、斎藤知事は記者からこの書籍を読んだかを問われ、「読ませていただいてはないです」と答えた。記者は「これまでの兵庫県の対応をまとめた本で、県の側近などの方から報告は受けてないか」と問われ、「特にないですね」とし、「特定の書籍に対する内容についてお答えするのは差し控えたいという風に思う」と述べた。
「県としては適正、適切、適法」を繰り返し
記者は、
「この本を読めば、適切、適正、適法という部分をかなり揺るがす、ファクトを積み上げていったら全然兵庫県の対応が適切、適法じゃなかったよね、という本なのですが、そうなると危機管理上、知事が内容を知らないというのは問題なのでは」
と追及した。
斎藤知事は、
「特定の書籍の内容に対するコメントは差し控えたい。文書問題についてはさまざまなご指摘があると思いますけど、県としては適正、適切、適法に対応してきたということ」
と、これまでと同様の説明をした。
また、記者は書籍の内容に触れた。24年3月の会見で斎藤知事が「ありもしないことを縷々(るる)並べた内容を作ったことを本人も認めている」と発言したことに対し、書籍では「一連の問題で最初に拡散された偽情報だった」と指摘されていると述べたのだ。その上で、この内容について知事から反論はあるかどうか聞いた。
斎藤知事の答えは、次の通りだった。
「繰り返しになりますが、特定の書籍に関する内容等についてのコメントは差し控えたいと思う。文書問題についてはこれまでお答えさせていただいている通り、県としては適正、適切、適法に対応してきたということになる」