「石油パニック」日韓で危機感の違い 大統領が節約呼びかけた韓国、説明しない日本

   日韓シャトル外交で高市早苗首相と李在明大統領は、両国で原油の共同備蓄や液化天然ガスを融通し合うことで合意したが、浮き彫りになったのはホルムズ海峡封鎖に対する危機感の違いだった。

  • 高市早苗首相(2026年2月撮影)
    高市早苗首相(2026年2月撮影)
  • 高市早苗首相(首相官邸ウェブサイトより)
    高市早苗首相(首相官邸ウェブサイトより)
  • 高市早苗首相(2026年2月撮影)
  • 高市早苗首相(首相官邸ウェブサイトより)

韓国大統領「油1滴を節約し、ビニール袋1枚をムダにしないで」

   韓国は大統領が「油1滴を節約し、ビニール袋1枚をムダにしないで」と国民に直接呼びかけ、民間は公共交通機関の利用やシャワー時間を短くするなどに取り組み、官庁も公用車利用を半分にしている。

   一方、日本の高市首相は「節約をお願いする段階ではない」「原油、ナフサ由来製品の供給は年を超えて継続できる」とまったく危機感が感じられない。

   「日韓のこの違いはどこにあるのでしょうか」と、2026年5月19日放送の「報道1930」(BS-TBS)で松原耕二キャスターが提起した。ゲストの共同通信元編集局長の後藤健次氏は、「高市さんはほとんど記者会見をしないんですね。これだけのデータがあって、だから大丈夫です」と国民向けに説明すべきなのに、やろうとしないという。

   そして、『大丈夫です、大丈夫です』と言われているうちに、徐々に現実(経済行き詰まり)のほうが強くなってしまって、(5月18日の)補正予算(編成の指示)みたいに後追いになってしまう。今後もそういう懸念はすごくあると思います」と心配する。節約を呼び掛けると、1970年代のオイルショックの時のように、国民がトイレットペーパー買いだめのようなパニックを起こすと話す閣僚もいると話した。

堤伸輔氏「政府が国民を信用していないのではないかと見えてしまう」

   ニュース解説担当の堤伸輔氏(「フォーサイト」元編集長)は、「国民が本当にパニックになるのか。政府がちゃんとした説明をすることができれば、それほどのことにならないと思います。むしろ、政府が国民を信用していないのではないかと見えてしまう」と指摘した。

   たしかに、節約を呼び掛けるとすぐにパニックを起こすほど国民は愚かではない。高市首相はどう対処すべきか。根拠なく「大丈夫だ、大丈夫だ」というのではなく、「早めに節約を呼び掛けるべきです」と堤氏は提案した。早めに呼びかければ、消費者もメーカー・流通も準備ができる。

   韓国でもごみ袋の品切れが発生したが、政府の「在庫は十分ある」という説明で収束した。

(シニアエディター 関口一喜)

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