近年は、転職活動でもZoomなどを使用した「オンライン面接」が定着しつつある。
リクルート就職みらい研究所「就職白書2025」(2025年2月20日発表)によると、企業によるウェブ面接(オンライン面接)の実施率は61.8%[O1.1]となっており、オンラインを活用した採用活動は広まっている。
一方で、通信環境や機材トラブルなど、オンラインならではの問題に戸惑ったという人もいる。
佐伯浩太さん(仮名・40代)は、転職活動中に受けたオンライン面接で、思わぬ出来事を経験した。
音声がつながらずに「電話面接」へ
数年前、サービス業の企業へ応募した際、Zoomを使用したオンライン面接が行われることになった。この時、佐伯さんにとってオンライン面接は初めてではなく、事前に背景や音声設定も確認していたという。
しかし、面接が始まると異変が起きた。
「映像は映っているのに、お互いの声だけが聞こえなかったんです」
マイク設定を確認し、内臓マイクへの切り替えを試したものの、状況は改善しなかったそうだ。約10分間、チャット機能を使用してやり取りを続けたが、原因は分からないままだった。
「このままでは埒が明かないと思って、自分から担当者へ電話しました」
その後も問題は解決せず、企業側から「このまま電話で面接しましょう」と提案された。佐伯さんは、電話で面接を受けることになった。
「こちらからおかけ直ししましょうか」そのひと言がなかった
電話面接自体は問題なく進んだ。しかし途中で、「あること」が気になったという。
「当時、通話定額プランに入っていなかったんです」
30分ほど通話が続き、相応の通話料金が発生すると気づいた。しかし、面接を受ける立場上、言い出せなかったそうだ。
後日、携帯の利用明細を確認すると、1000円以上の通話料金が発生していた。
「正直、かなり痛い出費でした」
佐伯さんが引っかかったのは、金額そのものだけではなかったという。佐伯さん自身は仕事で電話応対をする機会があり、通話が長くなりそうな時は「こちらからおかけ直ししましょうか」と確認するよう心がけているそうだ。
「気にしない人もいると思います。でも、ちょっとした配慮って大事だと思うんです」
サービス業の企業の面接を受けていたこともあいまって、佐伯さんは、「相手への気遣い」に違和感を覚えたようだ。
「面接とお客様対応は違うとは思いますけど、こういう場面に会社の雰囲気って出る気がしました」
最終的に、佐伯さんはその企業への応募を途中で辞退した。
オンライン面接は、移動時間や交通費を抑えられる一方、通信トラブルといった想定外の対応が必要になる場面もある。このような時こそ、応募者・企業双方の配慮やコミュニケーションが、会社への印象を左右することもありそうだ。