妥協の産物である1%案が実現しても、結局は物価高に
もともと高市首相と自民党は、衆議院選挙において、食料品に限り2年限定で「消費税ゼロ」の公約を掲げていた。
だが、なぜそれが1%に傾きつつあるのか。
仮に食料品の消費税を0%にしてしまうと、インボイス事業者の税務処理、特に「仕入税額控除」の計算が破綻する恐れがあるからだ。
商品を仕入れる際の税と、販売する際の税の差額を計算する仕組みにおいて、片方を免税にしてしまうと、サプライチェーン全体のシステム改修が極めて複雑になってしまう。
つまり、公約に縛られた高市首相ら政治家の思惑と、小売現場を完全に崩壊させないためのギリギリの妥協点が「1%」ということになる。
とはいえ、その妥協の産物である1%案も、小売現場には莫大なレジ改修費と半年以上の時間を強いる。
今年4月22日に行われた社会保障国民会議で発表されたように、農業・水産業の関係団体からも、改修コストの本体価格への転嫁と、実質的な効果が及ばない可能性が指摘されている。
もし、政治家たちの政策実現のアピールのために、市民の生活が苦しくなるのだとしたら、あまりに非合理だと言わざるを得ない。
6月4日の衆議院予算委員会で高市首相は「この夏に国民会議の結論が出たら、次の国会でできるだけ早く提出したい」と述べた。
しかし、税率については「結論を先取りすることはしない」と言葉を濁したままである。