政党の駆け引きの材料になった「皇室典範」 静謐な議論どころではなく、衆議院を半日で通過

船田元氏「国会の総意を逸脱したと言わざるを得ない」

   自民党内からも異論が出始めた。船田元・元経済企画庁長官は7日付のメールマガジンで「国会の総意を逸脱したと言わざるを得ない」と苦言を呈した。女性皇族が民間人と婚姻した場合は住民基本台帳に記録されることに触れ「結婚したら皇室から出なさいと言わんばかりの手続きだ」と非難した。

   6月末から続いていた、国会の空転状態を打開するため、政府与党は、「高市首相の党首討論(15日)、首相出席の予算委員会集中審議」に加えて、維新がこだわった「定数削減法案」を棚上げにする、3点セットの譲歩案を材料に、皇室典範改正案の正面突破を図った格好だ。

   一方で、地方の県議会から皇室典範改正論議の促進を求める意見書が続々と届き始めた。たとえば、鹿児島県議団は「皇族数の確保が図られるよう、立法府の総意に基づき、国会における議論を慎重かつ早急に進めるよう強く要望する」としている。意見

   書はすでに30議会に上っているが、「自民党本部から意見書を求める通達が来た」(自民党県議会幹部)ということのようだ。

   17日の会期末に向け、参議院の審議が本格化する。参院の自民党から一時出ていた「テレビなどの中継なしに」との要求は、今のところ聞こえない。主要野党は「政党間取引で『静謐』に」したようだが、「女性天皇」「女系天皇」外しには反発、徹底審議を求める世論がこれで治まるかどうか。

   (ジャーナリスト 菅沼栄一郎)

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