「長寿車両」として存在感
500系は、山陽新幹線区間を「こだま」で、本来の性能を発揮せずに走行するようになった。それゆえに、車両の老朽化についてはそこまで急速に進むことはなく、長寿車両となった。
500系よりあとに出てきた700系は、すでに2020年3月に定期運用を終了している。一部残っている700系には山陽新幹線専用の「ひかりレールスター」車両があるが、引退は近い。
一方で、500系は車内を改造し、山陽新幹線区間をゆったりと走れる車両になり、「こだま」限定運用車両として運行され、のちの世代の車両よりも長寿の車両となった。営業運転を開始してから引退までの期間が短い新幹線車両としては、異例の存在である。
だが、ついにそれも終わりの時がきた。2027年1月13日に定期列車としての運転を終了し、その後は臨時列車などに使用、7月に営業運転を終了する。
歴代東海道・山陽新幹線車両でもっとも愛された車両が、とうとう引退することになった。もっと惜しまれてもいいはずだ。それほど歴史に名を刻む車両なのだから。
(小林拓矢)
【プロフィール】
こばやし・たくや/1979年山梨県甲府市生まれ。鉄道などを中心にフリーライターとして執筆活動を行っている。著書『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)、『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)。