国会議事堂前で2026年7月10日、戦争や憲法改正への反対を掲げる集会「国会前アクション めちゃくちゃな政治に抗議します」が開催され、約2万7000人が参加。同日、これに呼応する形で同様の集会や街頭スタンディングが全国各地で行われた。
新宿駅東南口でも連帯企画を実施。公式な人数発表はなかったが、現地に足を運んでみて体感として150~200人ほどが集まり、平和の実現と反戦を訴えるとともに、高市早苗政権への抗議の声を上げた。
「これは権力を取り戻すための戦いです」
東南口にはシアターが置かれ、国会議事堂前で行われているデモの様子が中継されていた。国会議事堂前での「高市総理は国会に出ろ」「暮らしをよくする法案を通せ」といったコールに合わせ、東南口にいるデモ参加者も声を上げた。国会議事堂前のコールに合わせるだけではなく、東南口だけでも「高市やめろ」というコールが巻き起こった。
また、映し出された映像の中で、国会議事堂前では、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)アクティビストの福田和子氏が「男尊女卑を固定化する皇室典範、国粋主義を獲得する国旗損壊罪、言論封殺のスパイ防止法、憲法改悪を容易にする国民投票改正案、殺傷能力のある物資輸出の全面解禁など、誰も頼んでいない、誰の生活も良くしない人権、命、国家を根底から破壊する法律ばかりが優先されています」と不満をぶつける。
弁護士の鴨志田祐美氏は「権力を持っているのは私たちなんです。私たちは権力を一時的にあの人(国会議員)たちに預けてるんです。でも、預けている人がその権力を間違って使うようになったら、間違って戦争しようとしたら、間違って原発を再稼働しようとしたら、間違って冤罪被害者をどんどん苦しめようとしたら、私たちは預けた権力を取り戻さなければいけない。これは権力を取り戻すための戦いです。みんな一緒に戦いましょう」と呼びかけた。
東洋学園大学の非常勤講師・伊与田昌慶氏は「『少ない人数で何ができるんだ?』と冷笑する人もいるかもしれませんが、それは歴史を変えるかけがえのない1ページだと思っています」「歴史を見れば人種差別の撤廃も女性の参政権も政府に対して声を上げてきた市民が正しかったわけです」とデモの持つ力を口にし、「今、子供たちが苦しみ倒れているのに、なぜ政治リーダーたちはそんなに冷静でいられるのでしょうか」と語った。
参加者に話を聞くと、さまざまな不満が
参加者に直接話を聞いた。20代女性は「医療や教育といった生活にかかわる分野に予算を割いてほしい」と話し、「日本は災害大国です。4月に『防衛装備移転三原則』が改定され、武器の輸出が原則容認されましたが、武器ではなく、災害から国を守るインフラを作るための議論を進めるべきだと思います」という。
30代男性は「アメリカやイスラエルがイランへの攻撃を始めましたが、高市首相はトランプ大統領を批判することは一切ありませんでした。間接的にではありますが、戦争に加担する動きを見せたことに違和感を覚えました」と口にする。
60代男性は「今後の若い子たちの人生が厳しくなってしまう」という危機感を口にし、「自民党の憲法改正案には基本的人権が削除されていますよね。このままでは今後の社会に大きな制約をもたらす時代の始まりのような気がする。それを何とか食い止めたい」と語った。
生活よりも「サーカス」を優先するメディアへの不満
高市政権だけではなく、政治に関する報道の少なさに不満を持つ人も少なくない。40代女性は「朝や夕方のニュースは節約術やトレンド、スポーツばかりで、政治のことをあまりにもやってくれない。だからこそ、『今の政治がおかしい』ということを通りかかった人たちにアピールしたいと思い、デモに参加しました」という。
別の40代女性も「メディアはスポーツなどの娯楽ばかりに報道の時間を割いていて、生活よりも『サーカス』が優先されていることにはすごく腹が立っています」「現在いろいろな法案が通っていますが、審議されている期間中に『それがどういう法案なのか?』ということは掘り下げず、法案が成立された後になってようやく取り上げる、というパターンも多く、『もっと審議中に説明しろよ』と思います」と答えた。
また、「デモなんてしても意味がない」という冷笑的な声はSNSで散見されるが、30代男性は「結果として何も変わらないかもしれません」としつつ、「それでもやっぱり声を上げることには意味があると思うし、後から振り返った時に『声を上げた人がこんだけいた』っていうのは残るので、意味はあると思っています」と力を込めた。
7月19日にも『NO WAR!憲法変えるな!7・19国会正門前大行動』と題したアクションが国会正門前で予定されている。
(望月悠木)