東京国際映画祭出品映画にも出演、トルコ出身男性俳優が死去 「まだ実感が湧いておりません」

   「ろう者VSクルド人」をテーマにした映画「みんな、おしゃべり!」の公式Xアカウントが2026年7月14日、「ルファト」役を演じた俳優のムラット・チチェック(Murat Çiçek)さんが死去したことを報告した。

  • ムラット・チチェックさんが出演していた「みんな、おしゃべり!」は、東京国際映画祭でも上映された。チチェックさんは右から2番目(写真:VCG/アフロ)
    ムラット・チチェックさんが出演していた「みんな、おしゃべり!」は、東京国際映画祭でも上映された。チチェックさんは右から2番目(写真:VCG/アフロ)
  • 映画「みんな、おしゃべり!」公式Xでも追悼メッセージが発表された
    映画「みんな、おしゃべり!」公式Xでも追悼メッセージが発表された
  • ムラット・チチェックさんが出演していた「みんな、おしゃべり!」は、東京国際映画祭でも上映された。チチェックさんは右から2番目(写真:VCG/アフロ)
  • 映画「みんな、おしゃべり!」公式Xでも追悼メッセージが発表された

「余りに突然の報せでしたので、私たちもまだ実感が湧いておりません」

   「みんな、おしゃべり!」は、「消滅危機言語同士が対立!? 日本手話×クルド語」をテーマに、ろう者の父と弟を持つ「古賀家」と、古賀家が住む街に引っ越してきたクルド人一家の対立と交流を描いたヒューマンコメディー映画だ。

   映画公式サイトによると、トルコ出身のチチェックさんはクルド人一家の父親・ルファト役を演じた。チチェックさんはトルコの演劇・映像会社「BKM」で脚本を学び、演劇デビュー。20年に来日し、解体業に従事していた。同作が映画初出演であり、「現在、劇場用脚本の執筆中」だったという。25年秋の東京国際映画祭にも出展され、チチェックさんは舞台あいさつにも立った。

   映画公式Xは14日、「映画『みんな、おしゃべり!』にルファト役でご出演いただきました、Murat Çiçek(ムラット・チチェック)さんが、お亡くなりになりました」と伝え、「余りに突然の報せでしたので、私たちもまだ実感が湧いておりません」と戸惑いを吐露した。

   続けて、「何より、大切な人を亡くされたご家族の気持ちを思うと、言葉が見つかりません」と遺族を気遣った。

   故人の人柄について「ムラットさんは撮影現場でも常に明るく、とても誠実にこの映画と向き合ってくださいました。その笑顔と真摯な姿勢に、何度も助けていただきました」と振り返った。

キャスティング時は「ビザの条件を満たし、かつ役柄に合致する人物の紹介を求めた」

   複数報道によると、チチェックさんは6月下旬に東京都内で入管難民法違反(旅券不携帯)の疑いで逮捕され、その後、警視庁高尾署の留置施設で死亡した。警察の説明では死因について「腹膜炎」としていたが、遺族は経緯に疑問があると訴えているという。

   映画公式サイトは、クルド人キャストの選出について、公式サイトで経緯を説明している。

   「まず『ビザ』という現実的な問題が立ちはだかった」ことから、「日本クルド文化協会であるワッカス・チョーラク氏に監修を依頼し、ビザの条件を満たし、かつ役柄に合致する人物の紹介を求めた」という。

   「クルド人キャストとは、喫茶店などで面談を重ね、会話を通じて役柄を絞り込んでいった」としていた。

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