NHKの古賀信行経営委員長が2026年7月14日の参院総務委員会での質疑応答の最中、左手をスーツのポケットに入れたまま答弁を行ったことをめぐり、吉川沙織総務委員長が過去にも同様のケースがあったとして注意を行った。「経営委員会の仕事というのは、労働ではない」総務委員会では、国民民主党の奥村祥大参院議員が24年度NHK決算に関する複数の質問を行った。焦点となったのは、「非常勤委員の実働時間と報酬について」の質問時の、古賀氏の態度だった。古賀氏は、野村ホールディングス(HD)や野村証券社長、日本経済団体連合会審議員会議長などを歴任し、24年3月よりNHK経営委員長を務めている。奥村氏は「私は金額だけを見て、高いとか低いとかを論じることは避けたい。つまりは(高い)金額をもらっていても、それに見合う業務であったり、仕事内容が行われているのであれば、国民にも納得いただけるだろうと考える」とした。その上で、一定の指標として「年間の実働時間が何時間くらいなのかということと、時間あたりに換算した報酬額というのはどの程度になるのか」と質問した。指名を受けた古賀氏は「経営委員会の仕事というのは、私は労働ではないと思っております」と返答した。左手をポケットに入れ「時給1000円以下」古賀氏はおもむろに左手をスーツのポケットに入れ、「労働というのは、拘束時間に対して報酬が支払われる。だけど、拘束されてればいいのか、会議に出席してればいいのかって言ったらそんなもんじゃなくて、絶えず考える責務を負っているという風に思っております」と語った。ポケットから手を出すと、両手で身振り手振りを交えながら「例えば私、去年の秋口1か月間、ほとんど会長人事のことしか考えてないです」と主張。その後、再び左手をポケットに入れ「1日10時間、15時間、30日間......そういう意味では、400時間以上ずっと考えてたと。そういうことだけれども、これを単位で割ったらどうだと言ったら、時給1000円以下であります」と続けた。2007年12月には古森重隆NHK経営委員長が「片手ポケット答弁」古賀氏による回答が終わると、吉川沙織委員長(立憲)が「古賀委員長、申し上げます」と声をあげた。「片手、ポケットに手を突っ込んで答弁するのは平成19年12月20日も同じようなことございましたので、お気をつけください」注意を受けた古賀氏は小さく頭を下げ、「すみません、恐縮でございます」とした。吉川氏が言及した「平成19年12月20日」は、当時NHK経営委員長を務めていた古森重隆氏(元富士フィルムホールディングス社長)が、参院総務委で片手をポケットに入れていたことを、民主党(当時)の藤末健三氏から注意された事例を指す。議事録によると、藤末氏は質疑に先立ち、「質問に入る前に、まず1つ、古森NHK経営委員長にお願いがございます」と切り出し、次のように注意した。「先ほど内藤委員の質問に対する答弁で、片手をポケットに入れて答弁されておられまして、そういうふうな態度は是非改めていただきたい」SNSでは、古賀氏の答弁の様子を切り抜いた動画が拡散され、「こんなに傲慢な態度を取るなんて理解できない」「せめて答弁中くらいちゃんと応じるべき」といった声が相次いでいる。
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