福岡県議会の自民党議員が多額の金銭をやり取りしたとされる問題で、県議会事務局などに県民らからクレームが殺到している。
事務局によると、2026年7月14日までに電話やメールで計約450件の意見が寄せられた。20~30分も不満を漏らす電話もあるといい、仕事にも支障が出ている様子だ。
金銭授受の証拠はなく、真相は不明だが...
「声はよく似ているが、記憶にない」。中尾正幸副議長は7月14日の会見で、首をひねりながら、自らの疑惑を否定し続ける。
中尾氏については、吉松源昭県議が7日、自らが20年に議長になる前に、他会派との宿泊ゴルフ代として1000万円を要求されたと告発し、隠し録りした音声データも公開した。
「ちょっとね大金やけんね」などと話す声について、中尾氏は、AIの可能性も聞いたとして、懐疑的だった。しかし、地元紙・西日本新聞などが声紋鑑定に出し、「99.99%以上の確率で中尾氏」とされたと報じ、AIの可能性もほとんどないと指摘されると、一転して自らの声だと認めた。ただ、「お金は受け取っていない」と何度も繰り返し、疑惑を真っ向から否定した。
報道によると、議員間で金銭授受があった場合、仮に議長に選ぶ目的であれば、贈収賄事件になる可能性が指摘されている。授受を認めれば刑罰に問われることを考えたのではないかとの見方もあるが、その証拠はなく真相は不明だ。
ただ、問題を告発した吉松氏は、福岡県警から任意聴取を受けたと明かしており、今後県警の捜査が進む可能性がある。また、自らも金銭を求められたと告白する議員なども次々に現れたと報じられており、議長ポストなどをめぐる疑惑は深まっている。
また、自民党議員の金銭要求については、県職員にも及んでいるとの報道まで出ている。
議員をめぐって、県職員にしわ寄せが来ている?
それによると、幹部職員は、1人1~2万円のパーティー券を購入して、議長や副議長の就任祝賀会に参加しているのが恒例になっているという。県の部課長会が政治資金パーティー券を購入しているとの報道もあった。
西日本新聞の7月14日付ウェブ版記事では、議員との主従関係に嫌気を差したこともあって、中堅職員の退職が急増していると指摘した。24年の中途退職は、58人に上り、18年度の20人に比べて3倍近くになったという。
議員の金銭授受について、福岡県議会事務局の総務課は、報道後の6日から14日まで、事務局への電話が約350件、県政提案メールが約100件あったとJ-CASTニュースの取材に明らかにした。
意見としては、「県民として恥ずかしいよ」「県民として納得いかないです」といったものが多かったという。県外からも来ていたが、県民からの方が多かったようだとした。14日前後が特に多く、「議員を辞めろ」といった声もあった。
「理由はよく分かりませんが、全国ニュースで会見シーンが繰り返し流れたからではないかと思います。20~30分も電話し続けることもあり、通常よりも対応に時間が取られてしまっています」
議員をめぐって、職員にまた負担がかかっているような形だ。
県の広報課にも、6~14日に、金銭授受についての電話が約40件、県政提案メールが約50件寄せられているという。ニュースの影響もあって、「何をやっているんだ!」「真実を明らかにしてほしい」といった声があり、通常業務にも支障が出ているとしている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)