騒音などの苦情が相次いでいる「民泊」について、観光庁が京都市、東京都新宿・墨田区を対象にした「夜間苦情受付コールセンター」を2026年10月から試行することが分かった。昼間の苦情は、各自治体の保健所が受けているが、これまでは夜間の受け皿がなかった。対応が不十分な業者に対しては、コールセンターの情報を元に、各自治体が業者を行政処分できるようにする。半年間試行して、効果があれば、本格実施したい考えだ。近所の家を勝手に撮影したりするなどの迷惑行為も「夜間に騒いだり、ゴミをポイ捨てしたり、民泊をめぐってトラブルが起きています。宿泊客が近所の家を勝手に撮影したり、ランドセルを背負った児童らを追い回したりすることもあったようです。無許可で民泊を営業しているケースも見られますね」観光庁の観光産業課では2026年7月17日、J-CASTニュースの取材にその実情をこう明かした。同庁が22年3月にまとめた業者への実態調査では、近隣などからの騒音の苦情が10.7%とトップを占める。次いで、ゴミ4.7%、タバコ3.8%で、そのほかにも、宿泊者の徘徊、不適切な駐車・駐輪などがあった。こうした騒音などの問題が指摘され続けていることから、同庁は26年7月15日、住宅地などの環境が悪化している場合は、各自治体が条例で民泊を禁止できるなどとする通知を出した。住宅宿泊事業法上は年180日を上限に営業できるが、これまで認めていなかった、民泊の営業日数を「年0日」にして実質的に営業を禁止する「ゼロ日規制」を容認することに方針転換した形だ。既存の民泊についても、一定の猶予期間を設けたうえで禁止できるなどとする。また、騒音計や出入り口のカメラを設置し、一定期間データを保存することを条例で義務付けられるようにした。民泊の制限については、墨田区が4月の条例施行で営業を土日などに限るなど、都内の一部自治体ですでに行われている。京都市は、観光庁の通知を受け、26年度中の条例改正で踏み込んだ民泊制限を行う方針だと報じられた。さらに、観光庁でも、自治体に協力して、苦情の受け皿を夜間にも作る方向で動き出した。コールセンターの情報で、各自治体が業者を行政処分それが、3自治体を対象に試行する「夜間苦情受付コールセンター」だ。観光産業課によると、コールセンターは、住民らからの苦情を受け付け、民泊の業者に伝えて対応するように促す。そして、住民や業者への聞き取りから、本当にこの業者が駆け付けたかチェックする。もし夜間に業者と連絡が取れなければ、不適切な管理とみなすという。また、抜き打ちの連絡調査も行いたいとした。各自治体では、コールセンターからの情報提供を受け、それを根拠の1つとして、業者への業務改善命令などの行政処分ができるようにする。「新宿区と墨田区は、全国で最も民泊が多い自治体になっています。西日本では、京都市が民泊のトラブルで困っていると聞いています」コールセンターは、平日は、保健所が閉まる17時~翌朝8時30分まで、土日祝日は、24時間体制で苦情に対応する。約2000万円の予算で、10月~27年3月まで3自治体で試行し、効果があれば、本格導入を検討する方針だ。国が企業に委託する事業として行い、企画競争実施の公示を7月14日に出した。8月27日まで企業の企画提案を公募し、競争後に1企業と契約して事業を行うことにしている。民泊については、ネット上などで、「デメリットは地域住民におしつけてきた」「住宅地を商業地化するもの」「民泊自体を廃止するべきだ」などと否定的な声も多い。これに対し、観光産業課では、「法律をなくすことは考えていません。無許可営業が増えて、収拾がつかなくなるからです。各自治体が条例で対応してほしいと考えています」と説明した。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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