高市政権がロシアに宥和的な政策へ傾いているのではないか
―― 23年には、岸田文雄首相(当時)がキーウを訪問しました。野党党首が訪問する意義をうかがいたいです。政府と異なるメッセージを出せば「二重外交」との批判もあり得ます。
玉木: 今回の目的は二つありました。一つは、「力による現状変更を許さず、法の支配を守る」という日本のメッセージを、与野党を超えて示すことです。岸田首相はキーウを訪問しましたが、特に26年に入り、高市政権がロシアに宥和的な政策へ傾いているのではないかという疑念がありました。5月に経済ミッションを連れて政府高官がモスクワに入ったり、サンクトペテルブルクに学生を連れて行ったり......。(石油や天然ガスなどの資源開発プロジェクトの)「サハリン2」といった日本の権益を守る必要はありますが、G7(主要7か国)が一緒になって制裁を科している中で、「力による現状変更を許さず、法の支配を守る」という我が国の外交方針と反対のメッセージを出せば、ウクライナだけでなく国際社会から疑念を持たれます。
ヨーロッパで起きていることは、明日アジアで起き得る。日本は常にウクライナとともにあり、法の支配を守るという姿勢を、与党だけでなく野党も含めて伝える意義があります。森英介衆院議長、私、小野寺さん(小野寺五典・元防衛相)、与党、野党、与党(が相次いで現地入りした)という形で、超党派の支援を示せたのは良かったと思います。
―― もう一つの訪問目的は何ですか。
玉木: ドローンを使った新しい戦い方で、この4年半持ちこたえている最前線の情報と知見を直接得ることです。太平洋戦争は約3年8か月でしたが、ウクライナは大国ロシアを相手に4年半も持ちこたえています。ドローンとデジタル、AIを徹底的に活用しているからです。我々は真摯に学ぶべきだと思います。この年末に防衛3文書(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画の安保3文書)の見直しがあって、(ドローンなど無人アセットの大量運用をうたった)「新しい戦い方」と言っていますが、正直言うと、ちょっと生っちょろいというか......。
―― 現地で知見に触れて印象に残ったのはどういった点ですか。
玉木: スピードの速さです。現場でドローンが機能したりしなかったりするわけですが、それがすぐにフィードバックされ、良ければポイントが付いて次の入札で有利になる。ECサイトの「欲しいものリスト」のように、現場が必要な装備を注文してすぐに届ける仕組みもあります。そういうデジタルを組み合わせた最新の戦い方があるので、その知見を日本はもっと生かすべきです。