「日中関係を良くするよう、後輩に伝えたい」...2026年10月22日に死去した福田康夫元首相は、よくこう口にしたという。明らかに高市早苗首相を意識したものだろう。
「どうしたら日本が将来、平和で安全な国、豊かな国になるのか」
福田氏は父親の福田赳夫元首相の秘書官を務めていた時、同じく総理秘書官だった外務省出向の小和田恆氏と「軍事大国にならない」「ASEAN諸国と真の友人としての相互信頼関係を築く」「対等なパートナーとして東南アジア全域の平和と繁栄に寄与する」を柱とする福田ドクトリンをまとめ、首相を辞めてからも日中のパイプ役として活躍した。
2026年8月のJNNのインタビューでこう話している。
「いまの外交は、『どこかとはケンカしてもいいんだ』というふうなことを安易に考えている可能性がある。どうしたら日本が将来、平和で安全な国、豊かな国になるのかということを中心にもっと考えたらいいと思いますよね」
かつてないほど対中関係が悪化するなど、自らが理想とした日本の将来像からどんどん離れていく高市政治の危うさを案じていた。
自民党の、穏健保守の代表と言える
TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんは10月26日放送の「news23」(TBS系)で「いまの自民党には少なくなった、穏健保守の代表と言っていいと思います」と話し、こう懐かしんだ。
「私も時々お話をうかがう機会があったんですけど、いま中国との関係が非常に良くないということを心配してました。それを『良くするように』と後輩には伝えたいなあというのを、しばしば語られていましたねえ」
自らの内閣で副大臣に起用した高市早苗首相も、その後輩の一人だろう。高市首相に福田氏の声は聞こえているだろうか。
(シニアエディター 関口一喜)