2024年 4月 20日 (土)

「スパイダーマン」は不可能か可能か 米英の超名門大学がマジに「科学」論争

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   特殊なクモにかまれたことによってスーパーパワーを得て、ニューヨークの高層ビル街を跳び回り、悪と戦う若者。ご存知、ハリウッド映画のヒーロー「スパイダーマン」だが、パワーの秘密は指先から出る強力なクモの糸。このネバネバのおかげでビルの壁を垂直に登ることができる――。

   ところが、英国と米国の超名門大学の間で、「スパイダーマンは生物学的に存在できない」「いや、可能だ」という科学論争が起こり、話題になっている。

  • 「スパイダーマン」はお弁当になるほどの人気者
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壁を登るにはバカでかい手足でないと無理

   ことの発端は、2016年1月下旬に英国ケンブリッジ大学のウェブサイト上に公開された「スパイダーマンは不可能」と題するニュースリリース。同大学の生物学者デヴィッド・ラボンテ博士が率いる研究チームが行なった「動物の足の粘着力」を調べた論文だ。ラボンテ博士は、もともと垂直な壁を登る動物を研究テーマにしてきた。ダニからアリ、クモ、ヤモリに至るまで、自在に壁を登る225種の動物を調査した結果、「壁を登る能力を備えるには人間は大きすぎる。ヤモリの大きさが限界だ」と結論づけた。

   その理由として、壁を登る動物の体重と足の面積には関係性があることを確認したという。体重が重いほど壁に接する足の裏の面積が広くなければならない。225種のうち最小のダニと、最大のヤモリを体の表面積を基準に比較すると、足の裏にある壁面に接するエリアの割合は200倍もの開きがあった。これは、動物の体重が増加しても体表面はそれほど増加しないためだ。だから、ヤモリのサイズが体重を支えられる限界になる。

   ラボンテ博士は「もし、人間サイズの動物がスパイダーマンのように自在に壁を登る能力を備えようとするなら、体表面の40%に匹敵する大きさの手足が必要になります。あるいは、体のほぼ前面全体をネバネバの粘着質にして、壁にベッタリくっつけなくてはなりません」とコメントした。

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