SONY「Just ear」購入体験レポート(前編)
世界にひとつだけ!
自分のためだけの音質を持つイヤホンを作る

お気に入りのプレイリストで音質コンサルタントと音質調整

コーヒーは音質コンサルタント自身が豆から用意
コーヒーは音質コンサルタント自身が豆から用意

   続いては、音質調整のためのコンサルティング。井出さん自身が淹れたこだわりのコーヒーを飲みつつ、リラックスしながら相談する。普段使っている携帯オーディオプレイヤーやスマートフォンで、井出さんと向かいあって、同じ曲を一緒に聴きながらチューニングを進めていく。オリジナルのソフトを用いることで、実際の製作に入る前に音質をシミュレーションできるということだ。よく聴く曲を調整用に持ってきてほしいということだったので、自分なりにプレイリストを準備しておいた。

普段使用しているスマートフォンを用いての音質コンサルティング
普段使用しているスマートフォンを用いての音質コンサルティング

   僕がスピーカーやイヤホンやヘッドホンの音をチェックするときによく使う曲がPrimal Screamの「Deep Hit Of Morning Sun」。アルバム『Evil Heat』の1曲目に収録されているナンバーで、高域にも低域にも独特のノイズが飛び交っている、ちょっと極端なサウンドメイキングがなされたロックンロール・ナンバーだ。

   また、格好いいギターリフのリファレンスとしてよく用いる曲がFoo Fightersの「All My Life」。花澤香菜「Trace」は、吐息成分の大きい彼女のハイファイな歌声の響きを確かめることで女性ヴォーカルのリファレンスを、Bjorkの「Hyperballad」は、打ち込みのリズムや低域のベースラインの気持ちよさと声のバランスを確かめたいときによく用いる。

会話しながら音質のバランスを調整していく
会話しながら音質のバランスを調整していく

   いろんな曲を再生して、止めるごとに「今の状態、どうでしょうか?」「音を変えましたが、どう聴こえました?」と井出さんに尋ねられる。

   当初の状態でも悪くないバランスだったのだけれど、僕としては、もう少し低音に存在感がほしい感触があった。というのも、Billie Eilishの「bad guy」しかり、米津玄師の「海の幽霊」しかり、ここ最近のポップ・ミュージックにおいては超低域で鳴っているシンセベースがとても重要な役割を果たす作品が増えているから。これらの曲を聴きながら「もうちょっと低音が締まって聴こえたほうがいいかも」と伝えて調整してもらう。そして再び聴くと、たしかに変わった実感がある。

聴こえ方の好みを音質コンサルタントと共にじっくり探っていく
聴こえ方の好みを音質コンサルタントと共にじっくり探っていく

   さらに、音数をたくさん詰め込んだようなタイプの曲でもいろんなフレーズを解像度高く聴き取れるよう、Kanye Westの「Lost In The World feat. Bon Iver」を使ってチェックする。同じ曲をあえて設定を変えて聴かせてもらううちに、だんだんと「こっちのほうが好み」というのがわかってくる。

   音楽をどんなシチュエーションで、どんな風に聴いているかも井出さんと話しながらチューニングしていく。僕の場合は音楽ライターという仕事の関係上、好きな音楽をリラックスして聴くというよりも、インタビューやレビューのために全体の音像を集中して聴き取るようなモードで聴くことが多い。そういうことを井出さんに伝えて「じゃあ、解像感をもう少し高めたほうがいいですね」と調整してもらう。こうして"バッチリ"の音質に辿り着いた。

   音質カスタムヒアリングを実際に体験しての実感としては、敏腕のプロフェッショナルなエンジニアでありつつ、ユーザーの目線で話を聞いてくれる音質コンサルタントの存在が、とても大きいと感じた。

1時間ほどでコンサルティングは完了
1時間ほどでコンサルティングは完了

   冒頭に書いたとおり、何が"いい音"なのかを見極めようとすると、話はなかなか難しい。僕はマニアックにオーディオを追求しているようなタイプではないので、正直、わからないことも沢山ある。でも"自分にとってのいい音"は、その道のプロフェッショナルに相談しながら「あ、こっちの方がいいかも」と感覚的な判断を積み重ねていくことで辿り着ける。そのことも、「XJE-MH1」を購入するにあたって得た収穫の一つだった。

   耳型採取と音質カスタムヒアリングを行ってから、約2か月程度で製品は完成となる。「XJE-MH1」の場合は製品の引き渡しの時にも音質の微調整が可能ということだ。

   楽しみに待とうと思う。



   SONY「Just ear」購入体験レポート(後編)に続く



【音質コンサルタントと話してみよう!】

   Just ear 「XJE-MH1」の音質調整対応を行う、3名の音質コンサルタントと直接お話しするチャンス。 新たに2名が加わった音質コンサルタントは、どんなプロフィールを持つのか知りたい!という方も多いかと思います。 それぞれのコンサルタントが淹れた珈琲を試飲しながら、気軽にお話しできます。

<音質コンサルタント相談会>

日時:7月20日(土)16:00~18:00

場所:東京ヒアリングケアセンター青山店 入場:無料


東京ヒアリングケアセンター 青山店
住所:東京都港区北青山2-9-15 三輪ビル1階
交通:東京メトロ銀座線「外苑前」駅より徒歩2分
営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜日、祝日
TEL:03-3423-4133 FAX:03-3423-1991
https://tokyohearing.jp/justear/


■執筆:柴 那典(しば・とものり)
1976年神奈川県生まれ。音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立、雑誌、ウェブなど各方面にて音楽やサブカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。主な執筆媒体は「AERA」「ナタリー」「CINRA」「MUSICA」「リアルサウンド」「ミュージック・マガジン」「婦人公論」など。日経MJにてコラム「柴那典の新音学」連載中。CINRAにてダイノジ・大谷ノブ彦との対談「心のベストテン」連載中。著書に『ヒットの崩壊』(講談社)『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)、共著に『渋谷音楽図鑑』(太田出版)がある。

ブログ「日々の音色とことば」http://shiba710.hateblo.jp/ Twitter:shiba710

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