官僚はお手盛りで「美味しいとこ食い」するな!

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   人事院が、国家公務員の「育児休業制度」を改め、夫婦ともに最長3年間の育児休業を取得できるようにするそうです(現在はどちらか一方のみ取得可能、また育児に専念する配偶者がいる場合は不可)。素晴らしいことですね。

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育休拡充なら「ジョブカード」フリーターも採用して

   少子化の第一の原因は、育児と仕事の両立が困難であることですから、柔軟な働き方を実現し、育児の負担を軽くすることは理にかなっていると思います。下々の中には、

「お手盛りで厚遇実現しやがって!」

という心無い批判もあるでしょうが、ただのバカなので無視しましょう。自分たちで作ったシステムを、まずは自分たちで運用し、社会に対して多様化の範を示すのは、官としての義務でしょう。

   ところで、社会には同様に、官僚が作った“労働の多様化”のためのシステムがいくつかあります。たとえば、年長フリーターの正社員化促進のために厚生労働省が音頭をとってつくった「ジョブカード制度」などがそうですね。正社員職歴の少ないフリーターに発行される、公的な資格・職歴証書のようなものです。

   私なんかは、(正規と非正規の格差是正のために)正社員も含めて労働市場を流動化して、一億総請負化してしまえと言っていますが、厚労省はそれには反対のご様子。あくまで従来の終身雇用を軸に考え、フリーターの正社員化を促進することで、問題を解決しようとされています(平成21年版労働経済白書)。

   そんな厚労省が考え出した最終兵器が、ジョブカードなのです。

「ポスドク採用」文科省が率先すればいいのに

   凄いですね。さすが高学歴エリートの集まる厚労省は、考えることが違います。でも、不思議なことにこの素晴らしいカード、活用事例はとんと聞いたことがありません。まだまだ認知度が不足しているのでしょう。

   ということで、厚労省は新卒なんて採らなくていいですから、まずはジョブカード利用のフリーターをじゃんじゃん採用してください。遠慮しなくていいですよ。

   文部科学省の「大学院拡充政策」も同様です。これからの知的社会、ドクターなどの高学歴者が先進国並みに必要だと考えたから、大学院を拡充したのでしょう?

   だったら「ポスドク一人引き取ってもらえたら500万円差し上げます」なんていって税金ばらまかなくても、自分たちでドクターを採用し放題ですよ。いやあ、羨ましい。民間企業も、きっと喜んで後に続くでしょう。

   志高く無謬なる官僚の皆さんのこと。まさか「無意味な制度を作って民間に丸投げして、仕事しているふりをしてるだけ」なんてことは無いでしょうから、率先して範を示していただきたいと切に切に願っております。

城 繁幸

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人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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