「制服がアロハ」の旅行代理店で働くことになった理由
2009.10.06 14:42
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「無職」の重みに青ざめて
会社を辞める人にはよく「ゆっくり羽を伸ばして」などと言うものですが、2カ月半じゃあ伸ばすべき羽すら育っちゃいません。
辞めてすぐ、貧血で倒れて救急車で運ばれたことがありました。救急隊員に名前と年齢、そして職業を聞かれ、朦朧とした意識の中で「フ、フリーター…(正しくはただのフリーなのですが)」と口にしたあの瞬間の絶望感は、今でも忘れられません。無駄に健康で入院すらしたことのない私の唯一の救急車体験が無職のときだったというのもまた、私の人生の間の悪さを物語っている気がしてなりませんが、それはさておき。
敷かれたレールの上をまっすぐ歩んできた人生で初めて道を踏み外したという実感、なぜもうちょっと頑張れなかったのだろうという自己嫌悪、身分がない心許なさ。さらには、いくら喉元を過ぎたからといってそんなにあっさり忘れなくてもいいものを、あの苦しかった2カ月半があろうことかちょっと恋しくなったりまでする始末で、バイトでいいからとにかく働こうと思いました。
映画業界はすっぱり諦めて、大学時代の就活時に2番目に希望していた旅行業界でデスクワークをしよう。そう考え、売ってる就職雑誌なんておこがましい、私には無料の情報誌で十分だわ、とタウンワークをパラパラとめくっていたところ、目に止まったのが南の島専門の旅行会社でした。