2024年 4月 25日 (木)

スマホで実現した「ドラえもんの世界」 年を取るのも悪くない

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   先日、友人Aから「何か面白いアプリない?」と訊かれました。Aは収集癖があり、家計簿アプリだけでも8種類をダウンロードしています。単なる収集癖があるだけなので、それぞれ試してみただけで、実際に生活が改善したとかいうことは一切ありません。

   以前に訊かれた時は、とりあえず「Rio電卓」と「みひろ電卓」を教えておきました。Aは営業マンであり、見積書や企画書を書くことがしょっちゅうあることから、しばらくは面白がっていました。

   しかし、職場や喫茶店など公の場では実用性がないことがわかり、また要は広告用の媒体であるということも理解したため、すでに飽きてしまったようです。

撮った写真の一部を消去できる「スカラド」

「画像のアプリなんだけど、Scalado(スカラド)って面白いんじゃない?」

   2月にデモ動画がYouTubeにアップされ、一部で評判となったカメラアプリ「Scalado」。いまは2つの機能があるようです。

   撮った画像をその場で、しかも対象をタップするだけでレタッチできます。観光地で記念写真を撮ろうとして、シャッターを切った瞬間、被写体の前を赤の他人が横切ったという時。「ScaladoRemove」を使っていれば、その赤の他人をタップするだけで画面上から消去し、被写体を完全な状態で再現することができます。

   また、「ScaladoRewind」は、集合写真を撮った場合、いくつかの同じ位置からの画像のなかから、もっとも良い表情の顔だけを選んで、1枚の画像に合成することができてしまいます。

「おおっ! これは面白い!」

   さっそくアンドロイドのスマートフォンでデモ画面にアクセスしたAは、ムダに興奮してはしゃいでいました。

「でもさ、これ、いつ使うの? オレもオマエも50歳近いのに彼女いないしさ、家庭もないじゃん。旅行や飲み会なんかでも、面倒くさがって自分から写真を撮るタイプじゃないし、仕事で撮るわけでもないし」

   そういわれれば、それはそうです。

   面白いと他人に言いながら、自分ではあまり興味がないのも、要は使い様がありそうで多分ないからです。小さな子どもがいる家庭なんかだと、自分たちも撮ってて楽しいし、お爺ちゃん、お婆ちゃんに送ってあげるという用途、目的もあるでしょう。

   われわれは、そのようなこととはまったく無縁な生活っぷりです。

「うーん、Aさ、ネコ好きじゃん。近所の公園でネコの写真を同じアングルで撮ってさ、ベストなネコ画像をつくればいいんだよ」

「カメラ越しに自動翻訳」なんて、かつてのSFだ

   収集癖があり、休みの日に暇なAの目が、すぐに輝きました。

「それはいい! そうする! ネコの画像を撮りまくるわ!」

   スマートフォン1台、アプリ1つで、Aの休日は最近になく充実したものとなりそうな予感。

   「ところでさ、これって、いつリリースされるの?」。まだみたいですね。アンドロイド用もiPhone用も、同時にリリースされるんでしょうか?

   iPhoneアプリといえば「Word Lens」も話題になりました。対象となる短文や看板などをiPhoneのカメラを通して見ると、英語→スペイン語、スペイン語→英語に自動的に翻訳されるというもの。

「え! そんなの、もう、ドラえもんの世界じゃん! アンドロイド用のもあるの?」

   アンドロイドを持っていないのでそんなことは知りませんが、Appストアでは無料で配布されています。去年、ニコ生のiPhoneの放送で「Siriの日本語対応は早いと思う」と言いましたが、Word Lensも辞書DBの対応でしょうから、日本語バージョンを出すのもそんなに難しくはないような気がします。

   それにしても、こういったかつてのSFが実現していく驚きというのは、年を取っている方が実感できて楽しいですね。若かった頃、ほんの20年ほど前までは想像上のことだったのが、今になって現実になっているのですから。

   Aと話していて、年を取るのも悪くないと思った次第です。(井上トシユキ)

井上トシユキ
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。東海テレビ「ぴーかんテレビ」金曜日コメンテーター。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社新書)、「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文藝春秋)など。
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