2024年 4月 25日 (木)

「ワークライフバランスなんて無理!」 経営幹部は大反対

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

社会保険労務士・野崎大輔の視点
結婚して家庭を持てる給与水準にすることも大事

   ワークライフバランスを進める上での一番の課題は、残業時間の削減でしょう。余計な残業代を縮小する効果もあります。とはいえ、労働時間管理を厳密にするだけでなく、ひとり当たりの仕事量を減らさないことにはどうにもなりません。人を増やすか、もしくは仕事を減らす必要がありますが、いずれにしても高度な経営判断が必要であり、社長の決断とリーダーシップが求められます。特に仕事を減らす場合には、事業や業務の「選択と集中」を行わざるを得ません。そこまでやれば、幹部たちも納得するのではないでしょうか。なお、サービス残業を放置するリスクは非常に高いです。厚労省は企業からの内部告発を受け付けていますし、社員が過重労働によって精神疾患になる可能性もあります。過労死になった場合は遺族から訴えられるリスクもあります。

   また、共働き前提でもいいから、結婚して家庭を持てる程度の給与水準にすることも、ワークライフバランスにおいて非常に重要だと思います。ハードワークで疲弊した心身を整え、再び闘えるようにするには、ベースとなる家庭を営めるようにすることが、実は最も重要ではないでしょうか。


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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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