2020年 1月 23日 (木)

「辞める辞める」と言いながら、なかなか辞めない社員がいます

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臨床心理士・尾崎健一の視点
「辞める」は単なるグチかも。何が不満か聞き取る

   基本的には野崎さんの指摘のとおりですが、あまりにも軽々しく言う場合には「辞める」という発言を言葉通りに取り合わず、単なるグチと捉えるアプローチもあるかと思います。まずは「グチを言うのはいいが、仕事はちゃんとやってくれ。同僚たちへの悪影響も考えろ」と言い渡すことです。そのうえで、面談の際には「あなたは何が不満なのか?」と単刀直入に聞き、グチを言う理由を探ってみてはどうでしょうか。仕事のやり方が分からないのか、それとも評価の仕方が納得できないのか。ハッパをかけるだけでなく、本音を聞き取り改善の手を打てば少しは姿勢が変わるかもしれません。手間は掛かりますが、退職勧奨や解雇の前にはいちどやっておいてもいいと思います。

   なお、もしも無気力がうつ病によるものだった場合、それを知らずに退職勧奨や解雇をすると、後になってトラブルになることもあります。以前は元気だったのに元気がなくなったなどの「変化があったか」に注目し、様子がおかしい場合には、念のため医師の診断を受けるよう勧めた方がよいと思います。


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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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