2019年 11月 20日 (水)

『タッチ』監督の教えは「デザインに迷ったら黒く塗れ!」

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「子どもに愛されるアニメキャラって、どこが違うと思う?」

   色見本をチェックしていると、急に監督がスタッフに質問しました。白黒アニメの時代から仕事をしている監督は、にやっと笑って一言いいました。

   「アトムを考えてみなよ」。その監督は、『タッチ』『グスコーブドリの伝記』などをつくった杉井ギサブローさんです。その当時、4月からはじまるNHKのオリジナルアニメの総監督をしていました。

アニメキャラはアトムもルフィもシルエットが命

今回は白黒で攻めてみたのであります。キャラクターはシルエットが命!
今回は白黒で攻めてみたのであります。キャラクターはシルエットが命!

   オリジナルアニメは原作のあるアニメと違って、イチからキャラクターをデザインし、キャラに合わせた色を決め、美術設定も最初から作っていかないといけないので、毎回、ああでもないこうでもないと試行錯誤が続きます。

   その4月番で、私はメインキャラクターのコスチュームや小物のデザインを担当していたのですが、衣装の色に関しては、とにかく色見本をたくさん用意して、そのなかからピタっとくる組み合わせを決めるというやりかたでした。

   色見本も4~5パターンを超えたあたりから、コスチュームの配色が似たり寄ったりになり、堂々めぐりになります。ピンクがいいのブルーのほうが似あうのか、だんだんわからなくなります。

「そういうときには、白黒にしてみるんだよ」

   「白黒にする」とは、色味を抜いてモノトーンにしてみるということです。そうすると、濃淡のバランスがはっきりと浮かび上がるので、全体のトーンが確認できます。色のバランスが悪いときには、トーンもコントラストにもまとまりが感じられないものです。

   「だからね、キャラも黒く塗ってみるんだよ」と杉井さんは続けました。子どもに人気のあるアニメキャラクターはたいてい特徴的なシルエットだといいます。造型は「まずシルエットで考えろ!」というこということなのですが、たしかに「鉄腕アトム」のアトムもあのツンツンした髪型が特徴ですし、「ONE PIECE」のルフィーも麦わらのシルエットで一発でわかります。

数井浩子(かずい・ひろこ)
アニメーター、演出家。『忍たま乱太郎』『ポケットモンスター』『らんま1/2』『ケロロ軍曹』をはじめ200作品以上のアニメの作画・演出・脚本などに携わる。『ふしぎ星の☆ふたご姫』ではキャラクターデザインを担当した。仕事のかたわら、東京大学大学院教育学研究科博士後期課程に在籍。専門は認知心理学
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