2020年 10月 1日 (木)

これはマズイ! 内部通報者の名前を漏らす保健所、通報者を解雇する会社

創業100年以上、大正製薬こだわりの品質。乳酸菌が入ったごぼう茶でいきいきとした毎日を。

罰則規定を設けない公益通報者保護法に効果はあるか

   弁当製造業者はパート従業員について「以前から勤務態度に問題があり、解雇は適法」と主張しているが、勤務態度はその都度注意し、改善しなければ就業規則に則り処分すべきであった。保健所への通報が誠実になされたのであれば、それを引き金にした解雇は公益通報者保護法により無効とされるはずである。

   ただし、公益通報者保護法は罰則規定を設けていないため、事業者による不当行為を抑止できないという問題点が指摘されている。また、たとえ裁判で解雇無効を勝ち取ったとしても職場復帰しにくいのが現実だろう。

   法の効果を高めるためには、下請法などのように違反企業名を公表して是正勧告を出し、勧告をなおざりにするようであれば罰金刑を科すべきだ。

   一方で、限られた報道内容だけで「通報者がかわいそう」と同情することにも慎重にならなければならない。法は通報者に「他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない」と定めており、上司や会社への仕返しや嫌がらせという不誠実な動機が少しでもあれば、保護に値しないことになる。通報する側、受ける側、調査する側それぞれに誠実さが求められる。

   会社の内部通報制度の信頼性を高めるためには、経営者が「通報は組織を救うありがたいもの」という意識をもって真摯に運用しなければならない。「寝た子を起こすやっかいもの」が本音であれば、それは従業員に見透かされ制度は死んでしまう。皆さんの会社の内部通報制度は、安心して利用できるだろうか。できないとすれば、何が問題か?(甘粕潔)

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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