2024年 4月 20日 (土)

「できません」が口グセの新入社員 異動の理由にしてもいいか

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   元気があれば何でもできる。目標訪問件数を倍増ダーー!――こんな、アントニオ猪木氏を彷彿とさせるような上司だと何かと大変そうだが、部下がことあるごとに「できません」を連発する職場というのも意気があがらないようだ。

   「本人の育成のためなのに…」。与えた課題に対して「できない」を繰り返す新卒社員に不満を抱える課長が、この社員を異動できないものか、と人事部に相談。担当者は、どうしたものかと迷っている。

課長「これじゃあチームワーク成り立たない」

   ――製造業の人事担当者です。営業部の課長がやってきて、「うちの部署に来たAが使えないから、異動させてもらえないかな?」と要望してきました。

   営業に配属された新卒のAくんはOJTも終わり、この秋から担当顧客と新規開拓を任せることになりました。仕事はそつなくこなしていますが、問題は課長がAくんの育成のために出した高いハードルの課題をことごとく「できない」と断るのだそうです。

   課長が「これから半年の顧客訪問件数は、月間60件を目標にやるぞ!」と言うと、

「えー!? 今でも月40件がやっとなのに、60件なんてできるわけないじゃないですか。先月の訪問件数トップのB先輩が45件ですよ。非現実的な目標だと思います」

と反論します。また、「今やっている技術勉強会のペースを上げよう。来週の発表担当者からは、1週間に30ページずつ勉強して順番に発表してもらう」と言うと、

「今でも残業に加えて勉強会で負担なのに、これ以上いつ勉強するんですか。これ以上残業が増えたら、プライベートの時間が犠牲になってしまいます」

と受け入れる姿勢を見せません。

   課長は「言うことを聞かないやつがひとりいると、課員への影響もある。これじゃあチームワークが成り立たない」と困り果てている様子。しかし、入社して半年で異動というのも変ですし、課長をどうサポートしてあげればよいのか迷うところです――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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