「退職勧奨対象は、営業成績トップのC君だ!」 課長のそんな主張は認めるべきなのか

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   会社の業績悪化に伴う退職勧奨の対象をどう選ぶか。担当者にとっては頭の痛い問題だろう。たとえば営業部内から選ぶ際、「成績」という数字を基準に選考する、というのはあり得そうな話だ。

   しかし、ある企業では、退職勧奨の対象として、「営業成績トップ」の人物を挙げる課長がいて、人事が困っているという。

人事が過去3年間の成績を整理し、リストアップ

   サービス業の人事です。近年、業績が悪く人員整理せざるを得なくなりました。営業部内で過去3年間の成績を整理し、退職勧奨の対象となる社員をリストアップしました。

   A課長の部下では、成績不振のBくんが対象となり、課長から伝えてもらうべく人事とA課長で打ち合わせを持ちました。

   A課長「どうして成績だけで決めるんだ。Bは性格もいいし、お客さんの評判もいい。何より彼がいると課が明るくなる。たまたま3年間は成績が悪かっただけだ」

   と受け入れられない様子です。

   人事としては、A課長に対案を出してもらうことにしました。

   すると翌日、A課長はCくんを対象とすることにしたというのです。

   CくんはA課長のもとで3年連続トップの成績をあげています。

   「Cは仕事もできるし、他でもやっていけるだろうという判断だ。それにCは自分の成績に直結することはやるが、他のことは一切やらない。他のメンバーを手伝おうともしないんだ。いてもらっても課の雰囲気が悪くなる」とのこと。

   会社としては、営業成績の良いCくんが抜けるのは非常に痛いので、A課長にはBくんで納得して欲しいのですが、クビを立てに振らず困っています。退職勧奨の対象者の選定をどのように考えればよいでしょうか。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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