会社の業績悪化に伴う退職勧奨の対象をどう選ぶか。担当者にとっては頭の痛い問題だろう。たとえば営業部内から選ぶ際、「成績」という数字を基準に選考する、というのはあり得そうな話だ。
しかし、ある企業では、退職勧奨の対象として、「営業成績トップ」の人物を挙げる課長がいて、人事が困っているという。
人事が過去3年間の成績を整理し、リストアップ
サービス業の人事です。近年、業績が悪く人員整理せざるを得なくなりました。営業部内で過去3年間の成績を整理し、退職勧奨の対象となる社員をリストアップしました。
A課長の部下では、成績不振のBくんが対象となり、課長から伝えてもらうべく人事とA課長で打ち合わせを持ちました。
A課長「どうして成績だけで決めるんだ。Bは性格もいいし、お客さんの評判もいい。何より彼がいると課が明るくなる。たまたま3年間は成績が悪かっただけだ」
と受け入れられない様子です。
人事としては、A課長に対案を出してもらうことにしました。
すると翌日、A課長はCくんを対象とすることにしたというのです。
CくんはA課長のもとで3年連続トップの成績をあげています。
「Cは仕事もできるし、他でもやっていけるだろうという判断だ。それにCは自分の成績に直結することはやるが、他のことは一切やらない。他のメンバーを手伝おうともしないんだ。いてもらっても課の雰囲気が悪くなる」とのこと。
会社としては、営業成績の良いCくんが抜けるのは非常に痛いので、A課長にはBくんで納得して欲しいのですが、クビを立てに振らず困っています。退職勧奨の対象者の選定をどのように考えればよいでしょうか。