2018年 8月 16日 (木)

「管理者を部下が評価」で浮き足立つ上司ら あまりの「右往左往」に社長が下した決断とは…

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   小売店舗を10数店舗持つ会社からの依頼で、現場管理者を部下が評価する「360°調査」を実施することになりました。調査のきっかけは若手社員と社長の交流会の席で、「店長の言動にセクハラがある」「副店長が感情的、高圧的で辞めて行く社員はそれが原因」などといった声が社長の耳に入り、各職場に本当に問題事例があるのか否か、管理者と部下の関係がどのぐらい円滑であるのか知りたい、という要望が社長直々に出されたからです。

   評価対象は、役職者の中でも上位職位ある管理者、店長、副店長クラス。調査の実施が発表されると現場は戦々恐々として、スタッフに対する態度が急に甘くなる管理者が続出して接客トラブルにつながったり、中には「こんな調査、実施する意味がない!」と、人事部長に中止を直訴する者が出たり。そんな中、調査は粛々とおこなわれ、弊社宛に送付された調査シートが集計され、賞与評価を前に結果が社長宛報告されました。

「日頃の指導に対するスタッフからの反撃の場になりはしないか」

360度、ぐるりと見回してみると…
360度、ぐるりと見回してみると…

   すると社長との報告内容とやりとりの中で、社長からは一部追加調査のオーダーが出されました。そしてその結果がまとまった段階で、本人宛のフィードバックに先立つ店長会議が開かれました。弊社からの総評レポートは、個別の結果フィードバックと追加オーダーを除いた基本的な全体総評です。それを受けて社長同席でのフリー・ディスカッションに移ると、個別結果フィードバックへの予防線とも思える調査の信ぴょう性に疑問を投げかけるかのような発言が相次ぎました。

「我々の反省点もあるが、評価をする側が未熟な点は否めない」
「上司の好き嫌いを評価からいかに排除するかが、今後の調査実施の課題と思う」
「360°調査が、日頃の指導に対するスタッフからの反撃の場になりはしないか」

   店長たちの発言を黙って聞いていた社長が、おもむろに一枚のペーパーを全員に配布しました。全店長は自分たちの個別調査結果が配られたのかと思い、一瞬静まり返って食い入るようにそのペーパーに目を落とします。しかし配布されたものは個別評価に関するものではなく、社長自らが追加オーダーした調査結果に関するものでした。

   店長たちが状況をつかめずにいると、社長が切り出しました。

「いま配布したものは、今回の調査でいい加減な評価をしたと思われる君たちの部下の一覧表です。自分の部下がどれだけいい加減な気持ちで君たちの評価に臨んでいたのか、よく見て欲しい」
大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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