2019年 11月 12日 (火)

「羽振りがいい」先輩・後輩のウラの顔 「横領疑う価値アリ」これだけの理由

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   ある日、あなたは後輩の経理担当者から「いいお店を見つけたので、お世話になってるお礼にごちそうさせてください」と誘われた。うわさによると、他の社員にも同じように声を掛けているらしい。さて、この後輩の行動をどう思うだろうか。「先輩思いで気前のいいやつだ!」と感心するか。「若いのに何でそんなにお金があるの?」と不思議に感じるか。

   2012年10月に大阪維新の会大阪市議団に採用された31歳の男性事務員Aは、まさにそんな行動をとっていた。採用されて1年足らず。月給は25万円弱でありながら、市の職員たちに「おごりますよ」と声を掛けまくっていたそうだ。

政務活動費を横領、懲戒解雇

今日はおごりだ! 「えっ……」
今日はおごりだ! 「えっ……」

   声を掛けられた職員たちは、「新入りの事務員がなぜそんなに羽振りがいいのか」と胡散臭く思って敬遠していたようだ。それは健全な感覚だが、残念ながらもう一歩突っ込みが足りなかった。Aは経理担当者。もしかしたら、羽振りのよさは公金の横領が原因かもしれないと疑うべきだった。

   実際、2013年11月にAが所属議員向けの政務活動費約736万円を横領していたことが発覚。どおりでカネ回りがいいわけだ。市議団は11月付でAを懲戒解雇し、警察に告訴状も提出した。

   同市議団の口座には、毎月、大阪市から所属市議会議員32人分の政務活動費1640万円が(一人あたり50万円も!)振り込まれる。Aは採用されて以来、この口座の入出金管理を担当。当初は、他の職員と2人で担当していたが、「一人でやるように指示された」とうそをついてその職員を遠ざけ、「やりたい放題」のポジションを手に入れた。

   そして、インターネットバンキングを使い、未使用の政務活動費を自分名義の口座に繰り返し送金していた。発覚当初、市議団の事情聴取に対してAは「メディア関係者対策としてクラブでの接待等につかった」などと言い訳したようだが、その後、車の購入など私的な流用も認めたと報じられている。

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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