2019年 12月 7日 (土)

日本の転職希望者に多い「甘い願望」 彼らに見えていない垂直型キャリアとは

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   私は作家業のほか、所有する会社の関連事業で、エグゼクティブ・サーチ(いわゆるヘッドハンティング)にもかかわっています。ですから、人材・キャリアの話は得意分野です。

   いままで、多くの転職希望者とお話ししてきましたが、昨今のグローバル化の話とからめて、とても印象深いエピソードを今回お伝えします。

「戦略的なシゴト」という憧れ

キャリアといってもいろいろあるが…
キャリアといってもいろいろあるが…

   それは、グローバル市場やキャリアが見えているインド人や中国人と、甘い願望の日本人という対比です。

   日本の方とお話しすると、将来何がやりたいか、というと、たいがいは、こういう答が返ってくるんですね。

「戦略的なシゴト」

   これは十中八九そうなんです。もちろん日本企業だと、意思決定の中枢にかかわるようなポジションに上がれるまでに何十年とかかるわけで、いつまでも末端の仕事に関わっているうちに痺れを切らしているというのもあります。

   が、では戦略的な仕事ってなんですか?ときくと、たいがいは

「戦略立案や、財務、マーケティング」

だといいます。いわゆるMBA的なものなんですよね。今やっている仕事はITだったり、原材料の調達だったり、製品の設計だったり品質管理だったりするんですが、やりたいことは、みんな、戦略、財務、マーケティング、もうこの3つしか喋りません。

   要するに、そういうMBA的なことをやりたいんですよね。憧れです。それはわかります。日本のキャリアのゴールというのは、末端の営業や、工場の管理とかそういうものから出発して、だんだんと階段をあがっていき、管理職になり、最後は、そういった戦略とかマーケティングとか、でかいことを考える。

   そういうジェネラルなキャリアです。

   しかし、同時に、おなじようなことをやっているインド人や、中国人とお話しすると、まったく志向がちがうのです。

   たとえば、部品の調達をやっている人だと

「グローバルなサプライチェーンに関わるようなことがやりたい。いまは日本関連の部品の調達のみをやっているが、全世界のものをやりたい。最終的には、この分野でグローバルトップを目指したい」

というのです。ITの人もそうです。

「もっと国をまたいだ、ITのマネジメントや、ITの開発といったことをやりたい。得意な分野は変えたくないので、より大きな仕事ができる環境を探している」

ということなのです。

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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