「写経研修」拒否する社員に社長がブチ切れ 「参加できないなら辞めてしまえ」

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   1月も後半を迎え、気付けば新年度はもう目の前。そろそろ、新入社員向け研修の手配・確認をしなければ――そんなことが気になり始めた人事担当者もいるかもしれない。

   新人対象に限らず、企業内研修といえば、ビジナスマナー研修、英語研修、プレゼン研修などなど、幅広い内容が用意されている。社員に参加を義務付けることも珍しくないようだが、研修の内容によっては、「参加を拒否する社員が…」というトラブルも発生する。

人間力の向上、心の平静を保つということを目的に始めたが…

   製造業の人事です。

   会社で定めた研修に参加しない社員をどうするかということで困っています。

   半年に1回ですが、外部から講師を招いて般若心経を読んだり写経をしたりということをやっています。これは全社員やることになっています。

   社長が人間力の向上、心の平静を保つということを目的として始めました。

   最初のうちは「こんなのやりたくない」といった声が多く、反発する社員も多かったのですが、次第に「これ、けっこう良いかもな」という風に受け入れる社員も増えてきました。

   嫌々ながらも全員が参加してきており、特に大きな問題もありませんでした。

   しかし最近入社したAさんから猛反発を受けたのです。

「私は宗教上の事情で参加できません。こんなことがあるなんて知っていたら入社しませんでしたよ」

   これを聞いた社長は

「何、けしからん。うちの会社は全員やってるんだぞ!参加できないなら辞めてしまえ」

と激怒しています。

   もちろん辞めさせることができないことは分かっています。Aさんの言っていることも分かるし、会社としても何も宗教をやらせようと思っているわけではなく、社員の成長のためにやっていることなので、どちらが悪いとかそういう問題ではないような気がします。

   こういうのは止めた方がいいんでしょうか?

   どのようにすればいいのか分からず困っています。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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