2019年 9月 23日 (月)

「資格取得のプレッシャーでうつに」 推進していた会社の責任といわれても…

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社会保険労務士 野崎大輔の視点
今回のケースは「(会社が)推進」であって、「強制」ではない

   労災は、仕事中に発生した怪我・病気であるかどうかという業務遂行性と、仕事が怪我・病気の原因になったかどうかという業務起因性によって判断されます。今回のケースは、会社が資格取得を推進しているだけで強制しているわけではありません。したがって相談内容だけで判断するならば、労災には該当しないと考えられます。もし資格取得が強制で業務命令と判断されたとしたら、労災に該当するおそれがあります。

   滅多にない例ですが、資格試験の受験勉強が労災と判断された判例があります。土木建設会社勤務の社員が会社から技術士試験の受験を指示され、勉強を続けていたが、試験直後に脳内出血で倒れてしまい、労災による障害補償給付の支給を求めたところ、労働基準監督署長はこれを不支給としました。この結果に対して裁判所に訴えを起こし、裁判では労基署長の不支給処分取り消しを決定したという判例です。この判例では、会社が就業時間中に論文添削や模擬面接を行う等の状況から、試験の受験は業務命令であると判断されました。今回は、会社でここまでやられている様子ではありませんが、参考にして下さい。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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