2019年 12月 8日 (日)

「へんちくりんな夢と希望で頭でっかち」 そんな就活生にならないために

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どういう業務でその会社がなりたっているのか

   運輸業の仕事とはどういうものが考えられるでしょうか?実際に運転するパイロットやドライバーを除いた部分で考えると、飛行機やバス・トラックのメンテ、運行スケジュールと乗務員の管理というのが、管理業務のほとんど大半を占めます。それにくわえてチケットの販売と管理です。ですから、それらの仕事のうちのどれかに携わるであろうこととは容易に予想できたのです。

   運輸業において、空港や駅との連携による活性化なんていう仕事に付いている人は、全社員のうち何人もいないわけです(企業は学生にそういう部分ばかりアピールしたりしますが…)

   しかしながら、99%の社員は、日々の飛行機や電車やバスを事故なく定時に運行することに全精力を注いでいるのです。

   飛行機にペイントをタイアップするようなプロモーション企画を一生懸命考えるほうが楽しそうですが、それが出世の早道というわけではありません。

   こういう不幸は起こりがちです。

   なぜなら、多くの学生が行う企業研究というのは、仕事内容を調べるのではなく、その企業の業界での知名度、ステータス、給与を相対比較して、どこがナンバーワンかを調べているだけに過ぎません。

   ですから、学生のみなさんは、いちど企業が具体的に何をしているのか理解したほうがいいとおもいます。「具体的に」というのは、どういう業務でその会社がなりたっているのかということ。オペレーションの流れです。

   商業銀行だったら、融資というセールス担当がいて、それを審査する審査部があって、そして顧客からお金をあずかる窓口業務、この3つがほとんどを占めます。憧れの企業再生なんてほんの一握りのひとしか携わりません。銀行はお金を貸すのが本職で、経営コンサルタントではありません。

   小売業だったら、仕入れて、倉庫で管理して、店舗で販売する。これが殆ど。新規の業態開発を企画するひとは、わずかです。既存店舗で実績をあげ、エリアを統括して、利益をあげられるひとが出世します。地味な仕事です。

   こんなことをいうと夢も希望もなくなるという方もいるかもしれませんが、へんちくりんな夢と希望という名の妄想で、頭でっかちになりっぱしになるよりマシです。

   企業再生がやりたければ、都市銀行ではなく、ゴールドマン・サックスやマッキンゼーを経て再生ファンドに入るのが一番いいと思います。

   マーケティングがやりたければ、はじめからマーケティング・コンサルティング会社に入りましょう。

   こうした、仕事選びや就職のヒントに関しては、拙著『英語もできないノースキルの文系学生はどうすればいいのか?』

   という電子書籍に考えを纏めています。興味をもった方がいれば、手にとっていただければ幸いです。(大石哲之)

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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