2024年 4月 26日 (金)

「求人広告では東京勤務だった」と転勤拒否 あくまで異動を命じてよいか

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   4月からは心機一転、転勤先で新たな出発――そんな人も多いことだろう。一方で、転勤をめぐりトラブルを抱える人もいる。

   ある理由から社員が転勤を拒否しているという例では、「求人広告の記載との相違」や「子供が生まれたばかり」といった事情が取りざたされている。こうした場合、「社命は社命、いやなら辞めろ」と押し切ってよいものか。

就業規則には転勤について記載

   製造業の人事です。

   最近千葉の方に新たな支店を出したので、東京本社から3人異動させることになったのです。

   昨年中途で入社したばかりですが業界としての経験はあるAさんを異動させることになったので、転勤の辞令を出しました。

   するとAさんが「求人広告と話が違う。勤務地は東京本社と書いてあったじゃないか。だから応募したんだ」と文句を言ってきています。

   確かに、求人を出した時は勤務場所を東京本社で掲載していましたが、雇用契約では勤務地を限定しているわけではありません。

   就業規則にも転勤については記載しています。

   しかも、Aさんは子供が生まれたばかりで家庭の方で慌ただしいようで、上司に了承を得て残業を軽減してもらっている状況です。Aさんの上司であるBさんは

「Aさんは子供が生まれたばかりだし、東京本社勤務で採用したんだから異動は勘弁してやってくれないか」

と言ってきました。

   そもそも、求人で東京本社として募集して採用したら異動させることはできないのでしょうか?また、「子供が生まれたばかり」という事情は、どの程度考慮するべきなのでしょうか?

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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