日産自動車の株主総会で、カルロス・ゴーン社長の役員報酬が9億9500万円(2014年3月期)と、13年3月期より700万円増えたと明らかにされた。国内で「歴代3位」(1億円以上の役員報酬開示が義務付けられた10年3月期以降)の数字だ。ゴーン氏の報酬額が「国内的に見て高すぎる」のか、「世界的にみて高くない」のかは、以前から議論の的になっていたが、今回の株主総会で株主から「高い」との声が出たと報じられたこともあり、あらためて注目を集めている。「株主総会で『高すぎる』」と報道も総会が開かれたのは2014年6月24日。その模様は、「報酬年9億9500万円 株主総会で『高すぎる』 ゴーン氏『日本が低い』」(朝日新聞)などと報じられている。「高すぎる」論は、どんな数字を念頭に置いているのか。先の「歴代3位」のほか、・トヨタ自動車の豊田章男社長は2億3000万円・ホンダの伊東孝紳社長は1億5000万円などがありそうだ。「自動車大手、軒並み好決算 日産が『一人負け』」(2013年11月6日、日経新聞電子版)といった情勢だけに、「なぜ、日産の社長が?」という思いもあるのだろう。またゴーン氏がCEOとして兼務している、仏ルノーの2013年役員報酬、約3億6200万円(ロイター日本語版、14年6月24日)との比較を気にする向きもあるようだ。「やっぱり批判されてるのか」、はどちらの意味?一方、「日本が低い」論では、たとえば、米誌フォーブスによる米国の高額年俸経営者(ChiefExecutives)ランキング100(2012年)をみると、「100位」(半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツ)で、約15億6500万円(1536万ドル)と、すでにゴーン氏を上回っている。自動車メーカーでは、フォード・モーター(54位、約21億2300万円=2083.5万ドル=)が目についた。また、同上朝日記事では、ドイツのダイムラー会長(11億5000万円)といった数字も紹介している。ツイッターでは、ゴーン氏らの「日本が低い」の主張に賛同する声や、「日産ってそんなに儲かってんのか」と疑問を示す意見などが寄せられていた。なかには、「やっぱり批判されてるのか」というつぶやきもあったが、これは「世界的に見れば高くないのに、日本ではこれまでも批判されてきたが、今年もやっぱり…」という趣旨なのか、「当然、この報酬は高い。やっぱり…」という意味なのかは、よく分からない。「やっぱり批判されてるのか」を一読した際、上記のどちらの意味に捉える読者の方が多いのだろうか。
記事に戻る