2024年 4月 25日 (木)

「宣伝臭いリリース」には冷たい視線  「広報と広告の違い」を理解するためのポイント解説

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   広報は、一般社会と良好な関係を構築し、維持していくための活動であり、パブリック・リレーションズ(Public Relations)活動と呼ばれる。略称は頭文字を取って、PR活動だ。

   一般にPRと言えば「もっとPRしなくては」「自己PRをして」というように、売り込みや宣伝の意味合いが強い。だからかもしれないが、広報と広告・宣伝の違いが分からない人は実に多い。とりわけ、広報部門を持たない中小企業はなおさらだ。今回は、中小企業広報の現場で多くの人が間違いやすいポイントを分かりやすく解説する。

メディアの目のつけどころ

(1)広報はお金がかからない。広告・宣伝はお金がかかる

   広報は、マスコミに情報を紹介して取材してもらい、報道及び記事掲載につなげていくことで社会への情報伝達を図ろうとする活動であり、メディアへの費用を要しない。

   一方、広告・宣伝はお金がかかる。新聞でいうと、記事下などと呼ばれるのが広告スペースであり、スペースに応じて金額が異なる。朝日、読売、日経などの全国紙だと、全面広告は1000万円を超える。

(2)展示会への出展後、ホームページ掲載後はニュース価値が下がる

   中小企業は営業意識が強い。新製品・新サービスができると、営業ツールを作成して多くの顧客に配ろうとするし、ホームページにすぐさま掲載する。また、展示会に出展して見込み顧客の拡大に努める。しかし、人目につけばつくほど、多くの人が知るところとなり、ニュース価値は下がってしまう。メディアは、社会性があり、ヨソにない特徴があり、それを多くの人が知らないから記事にする。企業が多くの人に知ってもらうため、こうした努力をすればするほど、特に大きな記事にはなりにくくなるわけだ。展示会に出展したり、ホームページに掲載したりしたあとは、ニュース価値が下がっているため記事にはならず、お金を払って広告・宣伝を打つしかない、といったことになりがちだ。

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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