2019年 11月 20日 (水)

「同じ社名」めぐる大誤解 「わが社は無関係です!」を上手に伝える方法

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   「A社に税申告漏れ指摘」という報道が新聞に載った。実は、我が社も社名は「A社」。報道のあった社とはまったく関係ないのだが、両社は業種も同じで、本社がある都道府県まで同じだ。誤解が広がると困る。どういう対応を取れば良いのか――今回は、こんなケースにおける中小企業の広報担当者の対応について考えてみたい。

自社サイトで見解を公表

   実は、冒頭の例は先日、実際にあった話だ。沖縄県には泡盛メーカー「比嘉酒造」が2社ある。そのうち、「残波」を代表銘柄とする有限会社比嘉酒造(本社・読谷村)に関して、国税当局による申告漏れ指摘や、処分を不服とする裁判などの報道があった。

   これに対し、「まさひろ」「島唄」「海人」を代表銘柄とする株式会社比嘉酒造(本社・糸満市)が自社サイトで「比嘉酒造社名に関して」と題し、両社は「別会社であり、グループ会社ではございません」と説明した。J-CAST会社ウォッチの「社名が同じで大迷惑!? 『裁判報道のあった社とは別会社です』」(2014年11月7日)記事でも、取り上げている。

   まず、申告漏れ報道が出た「有限会社比嘉酒造」の対応をみると、自社サイトで「新聞掲載記事に関するご報告」と題し、「当社の税金に関する新聞報道等があり、皆様に多大なご心配をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます」とする文書を公開した。

   要点は、(1)当社と国側とで、役員給与・退職金の適正額について見解の不一致があり、国税当局より追徴課税を受けることとなった、(2)当社としては違法な処分がなされたと強く確信しており、東京地方裁判所において係争中、(3)追徴額については、コンプライアンス重視の社是から、いったん国に対して全額納付済み─―というものだ。この報告は、広報の観点から見て概ね正しい。外形的事実を伝えたうえで、自社と当局との見解の相違点を主張している。文書公開のタイミングも、全国紙報道から1~2日後とまずまずだ。

   欲を言えば、文書の表現が「税金に関する新聞報道等」とあいまいなので、新聞が何を報じたのか、せめて見出しレベルでも良いので伝えてほしかった。また、役員給与・退職金と納税額を示し、申告漏れではないことの説明をしてほしかった。それがないため、説得力に欠ける面は否めない。

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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