2021年 9月 23日 (木)

災害時に使った「給料の非常時払い」 普通の出産の時も利用できますか?

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弁護士解説 「後払い原則」の例外として

   ご懐妊おめでとうございます。ご苦労がおありだったようですが、それを乗り越えてのおめでた。さぞかし喜ばれていることと思います。ただ、出産費用もかかるでしょうから、ご心配ももっともですね。

   では、出産費用のために給料の非常時払いを利用できるのでしょうか。そもそも、給料というのは後払いが原則です(民法624条)。給料は労働の対価ですから、労働した後でないと給料は支払われません。しかし、法律は一定の場合に後払いの原則の例外を認めています。それが給料の非常時払いです。

   給料の非常時払いを定めた労働基準法25条を要約すると、使用者は、労働者が出産、病気、災害その他の非常時の費用に充てるために給料の支払いを請求した場合は、給料の支払日前であっても、すでに働いた分の給料を支払わなければなりません。

   この条文だけみれば、労働者自身が関係する場合(今回の例では出産)しか非常時払いがなされないように読めますが、法律は他のケースも想定しています。労働基準法施行規則9条は、他のケースとして「労働者の収入によって生計を維持する者が出産した場合」にも、給料の非常時払いを認めています。

   ですから、ご相談者のケースでも奥様の出産のために給料の非常時払いを利用することは可能です。その場合、奥様がご相談者の「収入によって生計を維持する者」であることが必要です。もし奥様がパートをしていてパート収入があったとしても、ご相談者の収入によって生計を維持すると認められる場合は、非常時払いの対象になります。

岩沙好幸(いわさ・よしゆき)
弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業後、首都大学東京法科大学院から都内法律事務所を経て、アディーレ法律事務所へ入所。司法修習第63期。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物が好きで、最近フクロウを飼っている。「弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ」を更新中。編著に、労働トラブルを解説した『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
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