2019年 12月 9日 (月)

悪に手を染めた者はしっぽを出す その6大兆候を見逃すな

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虚栄心をくすぐられ

   正解は「分不相応な生活ぶりが目立つ」である。要は、身の程知らずのぜいたくがやめられず、会社のカネに手をつけてしまうというパターンだ。

   問題は、そのような兆候にどうしたら気づけるかだが、最近公表されたある上場企業の不正調査報告書に典型的な例が記されている。

   報告書によると、子会社の常務取締役Aが、下請業者に過払いをしてキックバックを受け取るという手口で、5年以上にわたって約6億円を横領したが、その動機は「分不相応な生活」を絵に描いたようなものであった。

   Aが友人に連れられて都内の接待飲食店に行ったのが事の始まりだった。その後、Aは店からしつこく誘われて一人で行くようになり、「高級感のある店の雰囲気にひたり、接待を受けながら歓談する財界や芸能界の著名人と同様な接遇を受ける状況に、虚栄心をくすぐられ」足しげく通うようになっていった。そして「高額な酒を頼む等するたびに、褒めそやされ、持ち上げられる快感に酔うようになり、金銭感覚が麻痺していった」。

   その後、Aは「身なりも見栄えを良くするため、高級スーツを購入し、当該店主催のゴルフコンペなどに参加するために、高級外国車をリースで取得する」ようになり、やがて「月間で500万円超を費消するようになっていった」と調査報告書は続く。

   虚栄心をくすぐられて「分不相応な生活」にはまり込み、それが高級スーツや高級外車でのゴルフ三昧という行動に表れていった。会社役員とはいえ、こんな贅沢な暮らしは明らかに異常である。

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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