2020年 12月 5日 (土)

なぜ住宅ローンを嫌がるのか 妻を喜ばせたいと思わないか(江上剛)

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「妻がローンを組んで家を買おうといいます。私はローンを背負うと会社を辞められなくなるようで気が進みません」

   ローンを背負うと会社を辞められなくなる? 分かるようで分からない質問だね。

  • マイホームを買うにはローンの負担が
    マイホームを買うにはローンの負担が
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望みを叶えるため仕事に励んだ

   いつでも会社を辞めるというほど身軽でありたいなら、どうして結婚なんかしたの? 結婚というのは、相手の女性の人生にあなたが責任を持つってことでしょう? 子供もできるだろうし、そうすると家も欲しくなる。これは人として当然の欲求じゃないかな。

   あなたの妻がローンを組んで家を買いたいというのなら、あなたはそれに応えるべきだ。

   私は27歳で結婚した。そして社宅に住み、子供ができた。妻は家が欲しいと言った。自分でいろいろな家を実際に見ていた。それが楽しみで、一つの目標にもなったらしい。それで30歳過ぎでマンションを手に入れ、それから買い替えで今の場所に40歳過ぎで建売住宅を購入した。子供が独立し、妻と二人の生活になった50歳過ぎに建て替えた。

   こうやって見返すと、家に関しては10年サイクルで動いている。これは皆、妻が望んだことだ。私は、その望みを叶えるために、真面目に仕事に励んだ。

   妻の要望に対して消極的なあなたには奇異に、あるいはきれいごとに聞こえるかもしれないが、妻の喜びは、私の喜びでもある。妻が不機嫌だと仕事にも支障が出る。夫婦というのは、そういうものではないだろうか。

   確かにローンを組んでいる頃は、働いても働いてもローンが減らず、ローン返済のために生活を切り詰めたものだ。しかし、今となってはそれも懐かしい。夫婦一緒に返済に苦労するのもいいと思う。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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