辞めるべきか残るべきか、60歳前の「介護離職」という選択(江上剛)

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   食品メーカーに勤務する55歳です。転勤(とはいえ、首都圏の通える範囲ではあるのですが)の打診があり、それを機に退職を考えています。定年まであと5年。65歳まで勤めるにしても給料は減りますし、母の介護もあり、これまでのような仕事と介護の両立ができないと考えたからです。60歳で転職するよりは、5年でも早いほうがいいと思っているのですが、探してみると給与面などで折り合いません。迷いがあるうちは、辞めないほうがいいのでしょうか。

   お話をうかがっていると、独身の方のようですね。お母様の介護を一人で担っておられるようですから。大変ですね。同情します。

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65歳、会社に残っても給料がガクンと下がる

   確かに60歳になれば、ほぼ再就職は難しくなります。

   政府は、元気な老人には長く働いてもらおうと年金支給年齢を75歳まで引き上げようというアイデアを持っているようですが、働く場所をちゃんと確保してくれなければ、死ぬまで年金をもらえないってことになりかねません。

   現在でも多くの企業で65歳定年制が採用され、年金支給年齢と合わせるようにはなっていますが、実質的にはあなたの会社と同じで60歳定年です。あとは65歳まで雑用で、低賃金で雇用してあげるというものです。なかには、仕事は現役時代と同じというケースもあるようですが......

   私の友人は65歳に近くなっていますが、現役時代とたいして仕事が変わらないのに給料だけが、ガクンと下がったと怒っています。

   不満があっても、その職場にとどまっているのは、やはり自分に合った仕事がないからです。

   なぜ仕事がないのか。もちろん会社側が若い人を欲しがることもありますが、年齢が上がると柔軟性がなくなるからです。なんでもいいからやりますよってな具合にはならないでしょう。

   今さら、管理職だった人は慣れないパソコンで書類を作れないし、ましてや工事現場で警備のために一日中立ち仕事もできないでしょうね。どうしてもやらざる得ないということならできるかもしれませんが、それなら今の仕事をガマンして続けるほうがいいということになるんです。

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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