2024年 4月 24日 (水)

NEWテクノロジー時代の「社長の選び方」できる経営者は「ゾンビ」を退治する!?

人気店や企業から非公開の招待状をもらおう!レポハピ会員登録

画期的な発明の開発者を冷遇して凋落を招いた東芝のトップ

宮内さん「法律を守るのは当然の話ですが、少し怪しいもの、おもしろいものを許容していくことが、経営者にも社会にも大切だと思います。たとえば、自家用車で乗客を運ぶライドシェア(相乗り)の世界最大手『Uber』が、日本では法律の壁に阻まれて広がりません。ライドシェアは近年では世界最大の成長産業です。日本だけが成長のチャンスを逃してしまいました」

宮原禎さん
宮原禎さん

斉藤さん「先進7か国で労働者の1時間あたりの生産性を比較すると、米国70ドル、イタリア55ドルで、日本は40ドルで一番低い。これはなぜか。経営者の能力の差なのです。たとえば、PCやスマホに使われるフラッシュメモリーは東芝社員の舛岡富士雄さんが発明した。しかし、東芝は舛岡さんに業績にふさわしいポストを与えなかったため、彼は東北大学教授となり、東芝を提訴しました。
東芝はフラッシュメモリーをサムスンに売り、そのおかげでサムスンのスマホのシェアは世界の7割を占めるようになった。フラッシュメモリーを使ったアップルは何十兆円も稼いでいる。アップルの従業員1人当たりの年間利益は39万7000ドル、一方、日本の電気メーカーは5000ドルといわれます。質の高い経営者を入れないとダメということです」

竹中さん「宮原さん、若い経営者や社員にアドバイスはありますか?」

宮原さん「失敗してもくじけないことです。まず、経営者は2~3回失敗してもOKだと決め、社員に伝える。社員の立場で言うと、本当に大きな失敗をした人と仲良くなり、味方にする。そうすると社員から『そんなの失敗に入らないよ』と言ってもらえます(笑)」

   【連載】「働き方」「働かせ方」を考える

NEWテクノロジー時代の「社長の選び方」(前編)優秀な社員は優秀な社長になれない
NEWテクノロジー時代の働き方(後編)優秀な人は大企業を目指さずベンチャーに挑戦を!
NEWテクノロジー時代の働き方(前編)イヤな仕事はAIに任せ、クリエイティブな仕事を!


◆フォーラム参加者 プロフィール

●竹中平蔵(東洋大学教授・慶應義塾大学名誉教授)
日本開発銀行を経てハーバード大学客員准教授、経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、総務大臣、郵政民営化担当大臣を歴任、未来投資会議メンバー。

●宮内義彦(オリックス・シニア・チェアマン)
日綿實業(現・双日)入社。オリエント・リース(現・オリックス)入社、オリックス会長、グループCEOを経て現職。プロ野球 オリックス・バファローズオーナー。

●斉藤惇(日本野球機構コミッショナー)
慶應義塾大学卒、野村證券入社、同社副社長を経て住友ライフ・インベストメント社長、産業再生機構社長、東京証券取引所社長、日本野球機構会長などを歴任。

●越智隆雄(内閣府副大臣・衆議院議員)
慶應義塾大学卒、住友銀行入行。衆議院議員秘書・国務大臣秘書官を経て2005年衆議院選初当選、4期目。内閣府副大臣では経済財政政策・金融担当。

●宮原禎(ヘルスデータ・プラットフォーム社長)
慶應義塾大学卒、リクルート入社、WEBプラットフォーム開発などに従事。経営支援業リヴァンプでコンサルティング業務などを経て現職。

姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中