2020年 9月 20日 (日)

日本人が陥りやすい投資の罠 「負ける人」はこんな人(小田切尚登)

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「過去の経緯に引きずられてしまう」

   読者の中には、過去数年の上げ相場で大きく儲かった方がいるかもしれない。仮にアナタが100万円儲かったとしてみよう。すると太っ腹になり、「これから10万円や20万円下がってもまだまだ大きい儲けが残るから、全然OK」などと考えるかもしれない。しかし、それは間違いだ。

   過去は過去、もう終わった話である。いま100万円の値がついている株は、過去に1000万円だったのが下がった結果かもしれないし、10万円だったのが上がった結果かもしれないが、どちらにしても今の自分には過去の経緯は関係がない。

   100万円の価値が現在あるというだけだ。今後上がると思うのなら保有すればいいし、下がると思えば売る。それだけのことだ。

   以前に1000万円した株が100万円まで下がった場合は、「この株はまた大きく上がってしかるべき」などと思う人がいるかもしれないが、その考えには何も根拠がない。投資家は過去を忘れて、将来のみを考えるべきである。

「現状を漫然と続けてしまう」

   多くの日本の個人投資家の最大の問題点は「何もしない」ということではないだろうか。最初に投資をした状態のまま、長い間何も売らず・何も買わず、ほったらかしている人は少なくないと思われる。

   「忙しいから」などと言うが、自分の財産そのものの話なのだから、たいていの事柄よりも優先順位が高いはず。投資戦略は、周囲の環境が刻一刻変わっていくのに応じて変わっていくべきだ。

   また、いつも似たような取引を繰り返している人も多い。「自分は日本の大企業の株式を売買するだけ」と、決めてかかるのが悪いわけでもないが、それが本当に自分にとって最善の道なのかどうかは再検討するに値する。

   世界には多種多様な投資対象がある。たとえば、外国株ですばらしいパフォーマンスを示すものはたくさんあるし、不動産投資信託(REIT)や外国債なども個人投資家の守備範囲に当然入るべき存在だ。これらを知らずに「井の中の蛙」でいることはもったいない。自らバリアを築くのではなく、幅広く情報を集めていっていただきたい。

   「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」と言う言葉があるが、投資においても「己を知る人」、すなわち感情に流されず、自分を客観的に見つめられる人が勝つということではないか。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ、60歳。
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