メルカリ、古着屋大好きな私...... 経済成長に貢献しなくてすみません!(北条かや)
1着500円でも満足できる
そう、いろいろ試した結果、最近はほとんどの服を中古で済ませるようになってきた。中古品売買のアプリ「メルカリ」や、近所の古着屋を物色する。1着500円で、割と状態のいい服が手に入るから楽しい。真新しいブラウスを買って、汚して凹むくらいなら、気軽に買い替えられる古着で十分だ。
「古着でも、欲しいものがあるのはいいことよ」と、アラフィフの彼女。
「そうですかねぇ」と、答えたところへ、飛び込んできたのが冒頭の「GDP、3年ぶりにマイナス」のニュースである。
私がいくら古着にお金を使っても、GDPには貢献しないどころか、長期的にはマイナスではないか――。なぜならGDPとは「一定期間内に、国内で新たに産み出された商品やサービスの付加価値の総額」を示す。古着は「新たに生産されたモノ」ではないので、GDPには反映されないからだ。
経済成長に貢献するのは、売買手数料くらいだろう。いずれにせよ、新品を買う行為に比べれば貢献度は少ない。
してみると、「服なんて中古で十分」という考え方は、経済成長にブレーキをかけている気がする。古本も中古車もそうだが、一度生産された商品の所有者がコロコロ変わるだけで、もとの生産者はさっぱり儲からない。
これを「シェアリングエコノミー」とかっこよく言い換えて、IT分野でのイノベーションにつなげれば、新たな雇用や経済の拡大につながるのだろうか。そのあたりはよくわからないが、爆発的な成長はもう起きないだろう。それに申し訳ないが、服なんてやっぱり、中古で十分なのだ。(北条かや)