2024年 4月 26日 (金)

「仁義なき就活戦争」の始まり? 経団連・中西会長の「ルール廃止」発言、新聞社説はどう報じたか

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学生の学業だけではない、人格形成にも悪影響

   福島民友新聞の社説「学生第一で徹底的な議論を」(9月6日付)はこう主張する。

「就活ルールの廃止となれば、これまで行われてきた変更とは次元が異なる。(現在でも)3年生時のインターンシップ(就業体験)が選考活動の入り口という企業もある。これが2年生から始まるようなことになれば、学生は勉強どころではなくなる」

   朝日新聞コラム「天声人語」(9月5日付)は学生の人格形成を心配する。

「(青田買いどころか)『早苗買い』『種籾買い』といった言葉もある。そんな先物買いがやり放題になるのか。2年生、1年生と際限なく就職活動が早まることにならないか。心配なのは学業への影響だけではない。まだ何ものでもないでもない自分と向き合うための時間が、どんどん削りとられる。『青田買い』のほかに『青田刈り』という言葉もある。収穫をあせって稲が実り切る前に刈ってしまうことを指す。学生を早くから振り回して、実りを台無しにしないといいのだが」

   一方、中小企業への影響を指摘する論調は地方紙に多くみられる。採用ルールが廃止されると、人事担当部門が充実している大企業が有利になり、中小企業が割を食うからだ。山陽新聞社説「学生、中小に目配り必要」(9月11日付)は大企業に翻弄されてきた中小企業の実情をこう訴える。

「(過去にも経団連の指針の変更が繰り返された結果)先に入社が決まっていた中小企業の内定を辞退し、大手に乗り換える学生が相次ぐなど混乱した。(ルールの廃止で)知名度や人気が高く採用部門も充実している大企業の自由度が増せば、中小企業は人材確保が従来以上に厳しくなる。経団連は就活ルールの見直しに向けて政府、大学と協議する方針だ。大企業だけの都合を優先する仕組みとなっては論外だ。大都市圏に多い大企業に有利なルールなら、東京一極集中にも拍車が掛かりかねない」
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