2024年 4月 26日 (金)

コーヒーはワインと同じ「いいモノをいいと評価する」文化を育てたい

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コーヒー豆の産地はキラキラして美しい

――海外のコーヒー豆の品評会で、当時、史上最高価格で豆を落札した逸話が残っているそうですね。

史上最高値で落札したコーヒー豆に、バイヤー仲間からは白い目で見られたことも(丸山社長)
史上最高値で落札したコーヒー豆に、バイヤー仲間からは白い目で見られたことも(丸山社長)
丸山社長 ビジネスのスタートと時を同じくして、カップ・オブ・エクセレンス(COE)という生産地の品評会が始まりました。この品評会は、ブラインドテイスティングし、採点して評価が高い豆をオークションで落札できるシステムで、私は2002年にブラジルCOEで1位になった「アグア・リンパ」というコーヒー豆を当時、史上最高価格で落札しました。
   同じバイヤー仲間からは「そんな高い価格で買うなんて」と、白い目で見られましたが、それがきっかけで「日本にいいバイヤーがいる」という話が生産者のあいだで広まり、次々といい生産者と知り合えるようになったんです。
   その後、生産者が数百人集まるイベントに呼ばれ、スピーチを頼まれたときに、自虐的な意味を込めて「『アグア・リンパ』を、史上最高価格で落札してしまった...... 者です」と自己紹介したら、生産者がスタンディングオベーションで迎えてくれたんです。その時、「ああ、こんなに生産者の方たちが喜んでくれるなら、これでよかったんだ」と、そう思ったんです。
   出会いが出会いを呼び、今では18か国、数百人の生産者から生豆を直接仕入れています。

――「Discover coffee=豆生産者との出会い」というコンセプトを広めているそうですね。

丸山社長 私は、コーヒーはまだ過小評価されていると思っているんです。自分で豆を配達していたころ、「コーヒーなんてどれも同じ」と言われたり、「適当にその辺に置いておいて」と粗末に扱われたりしたこともありました。実際には、コーヒーにも品質はあるし、土壌によって味も変わります。
   ワインやシャンパンも同じなのに、扱いがまったく違うことに違和感があるのです。年間に約半分は、生産者のもとを訪ねていますが、私の見る産地は、美しくてキラキラしていてとても魅力的です。そんな素敵な産地を、ビジュアルや言葉、映像を通じて表現したい。そんな思いで、この「Discover coffee」というコンセプトを広めています。
   当事者である生産者は、なかなかそのよさを伝えきれないので、生産者に代わって伝え、コーヒーに正当な評価や対価をもたらしたいと思っています。

――今後の会社の方向性を教えてください。

丸山社長 現在、当社は店舗、通販、卸の3つのビジネスから、ほぼ同じ収益が上がっていて、バランスよく運営できています。店舗数は長野と関東圏に計11店舗。おかげさまで、スペシャルティコーヒーの専門店ということで、わざわざお店を探して来てくれる海外の人もいます。店舗数は状況を見ながら、徐々に増やしたいと思っています。いずれは、お客様に「品質のいいコーヒーなら丸山珈琲だよね」と言っていただき、日本各地でコーヒーを手に入るようにしていきたいですね。

(聞き手 戸川明美)

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