2018年 11月 18日 (日)

「本当に幸せな就職」が多い大学ランク 2位は東大、1位と3位に超意外な大学が!

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   有名企業への入社ではなく、「この会社に入って本当によかった!」と、新卒入社後に心底思えることが「幸せな就職」というものだろう。そんな「幸せな就職」をした学生が多い大学はどこだろうか。調査したランキングの結果、東京大が2位であることは驚きに値しないが、1位と3位に超意外な大学の名前が挙がった。北海道大と広島大だ。

   特に広島大は、「待遇満足度」のランキングでも2位に上がった。いったいなぜ広島大卒業生に「働きがい」を感じている人が多いのか? J-CASTニュース会社ウォッチ編集部記者は調査を行なった研究所の調査員と、広島大の就職担当者に話を聞いた。

  • 広島大学の広大なキャンパス(広島大学広報グループ提供)
    広島大学の広大なキャンパス(広島大学広報グループ提供)

上位に北海道大と広島大のローカル国立大が...

   この調査は、就職・転職者向け企業情報を提供するサイト「Vorkers」を運営するヴォーカーズの「働きがい研究所」が2018年10月23日に発表した「本当に良い就職をしている大学ランキング」だ。「Vorkers」の特色は、会員による入社した企業のクチコミ投稿。調査では、2007年7月~2018年10月の11年間にクチコミ投稿をした社員のうち、卒業大学情報がある1万1747人を対象にした。卒業者数が少ないとデータの信用性が保てないので、クチコミが50件以上ある大学を選んだ。社員は入社して1年以上在籍していることが条件だ。

   自分の会社について8つの項目で、「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」の5段階で評価してもらった。8つの項目とは次のとおりだ。(1)待遇面の満足度(2)社員の士気(3)風通しの良さ(4)社員の相互尊重(5)20代の成長環境(6)人材の長期育成(7)法令順守意識(8)人事評価の適正感、である。

   そして、自分の会社に対して総合評価が高いほど「働きがいを感じている」、つまり「この会社に就職して良かった」と満足しているとして、そういう卒業生が多い大学を上位30位まで表したのが、図表①の「本当に良い就職をしている大学ランキング」だ。

本当に良い就職をしている大学ランキング(ヴォーカーズ働きがい研究所提供)
本当に良い就職をしている大学ランキング(ヴォーカーズ働きがい研究所提供)

   これを見ると、1位北海道大、2位東京大、3位広島大、4位一橋大...と国立大が上位を占める。私立大のトップは5位の上智大だ。必ずしも偏差値、つまり入学難関度に応じていないことがわかる。それにしても、1位に北海道大、3位に広島大と国立のローカル大学が並ぶのはどういうわけか。

   同時に発表された、「待遇面の満足度」だけに絞ったランキング(=図表②)を見ると、ここでも広島大は1位の東京工業大に次ぐ2位の座をキープしている。ちなみに北海道大は10位である。

就職企業の「待遇満足度」が高い大学ランキング(ヴォーカーズ働きがい研究所提供)
就職企業の「待遇満足度」が高い大学ランキング(ヴォーカーズ働きがい研究所提供)

国立大は企業文化にフィットする学生が多い?

   J-CAST会社ウォッチ編集部記者は、調査を行なったヴォーカーズ働きがい研究所の調査担当者に聞いた。

   ――1位に北海道大、3位に広島大と意外な結果が出ました。私立で1位の上智大も、早慶を押しのけての上位だから、意外な感じを受けます。

「その3つの大学に関して、理由については正直、わかりません。今後の検証が必要だと思っています」

   ――北海道大と広島大は、それぞれの地域のトップ大学です。たとえば、札幌なら雪印メグミルク、広島ならマツダなど、地元の大企業に優先的に就職しているからといった理由は考えられませんか。

「地元就職で優遇されていることが理由だとしたら、地元に『働きがいがある企業』が存在することが条件となりますが、広島や北海道の企業にはそのような傾向は見られません。マツダについては広島大卒業生のほんの一部の就職先でしかありません。
あくまで私見ですが、全体として国立大が上位に多い傾向があります。大学の特性より、もともと日本企業の文化や風土にフィットしやすい人材が、国立大を選択する傾向があるからではないでしょうか。つまり、国立大に入るタイプの学生は企業に入っても順応しやすく、会社の環境に満足する傾向があると思います」

   ――どういうことですか。

「企業は何でもできる総合系の、オールマイティーな人材を求めます。国立大は入学試験で私立大より科目が多く、そもそもオールマイティーなタイプが入学する傾向があります。
さらに、北海道大や広島大のようなローカル国立大が上位にいくのも、その大学を選択したパーソナリティーが、もともと多くを求め過ぎないタイプだから、特に日本企業で働く場合は満足を得やすいのかもしれません。ギラギラしていないというか...」

   ――なるほど。野望を抱いて上京したりしなかったタイプが地方に残り、企業とのマッチングがうまくいっているのかもしれないということですね。

「今回の調査は、就職ルールの見直しが検討される中で、学生が学業に専念できなくなることが問題視されていますが、そもそも大学の授業は学生の将来の仕事のやりがいにどの程度役立っているかを調べるために行ないました。
学生の就職後の『働きがい実感値』によって、各大学の授業の有益性を測る試みです。従来の入試の偏差値や有名企業への就職率と異なる、もっと実践的で大学の価値が問われる評価指標です。まだ1回目ですが、もっと分析・検証を深めたいと考えています」

広島大が国立大で初めて行なった試み

   ところで、広島大は今回の結果をどう受け止めているのか。J-CAST会社ウォッチ編集部記者の取材に、就職を担当する同大グローバルキャリアデザインセンターの担当者は「とても喜ばしい調査ですが、正直、上位に入る理由が思い浮かびません。学内で情報交換しますので一日待ってください」と答えた。翌日電話するとこんな答えが返ってきた。

「調査内容の詳しいデータがわからないので、あくまで推測ですが、本学では20年前の1998年に、国立大として初めて全学的に支援するために就職センターを作りました。授業にキャリア教育、キャリア相談を取り入れ、ガイダンスを行ないました。すでに私立大では行なわれていましたが、学生を乗せてツアーバスを連ねて、東京ビッグサイトの企業合同説明会に行ったものです。そういうさまざまな地道な試みが実って、企業とのミスマッチが減り、就職に満足している卒業生が多いとすれば、うれしいことです」

   野望を抱いて上京などせずに地元に残った学生が多いからでは、という見方に関して尋ねると、こう語った。

「う~ん、本学の学生で広島県出身者は3割程度です。大半が九州や四国、それに兵庫県など関西方面から入ってきます。彼らもそれなりの気持ちを抱いて本学に入学したのだと思います」

(福田和郎)

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