2019年 8月 18日 (日)

【IEEIだより】福島・双葉町レポート(その1)土地を売れない人々(越智小枝)

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   先日、福島県双葉町を1日かけて見学させていただく機会がありました。ご存知の方も多いと思いますが、双葉町は福島第一原子力発電所が立地する面積51平方キロメートルほどの町であり、未だにほぼ全域が帰還困難区域に指定されています。

   この区域を含めた帰還困難区域に対し、2017年5月に「改正・福島復興再生特別措置法」が施行されました。この法律により、自治体は帰還困難区域の中に5年以内に避難指示を解除して人が住むことを目指す「特定復興再生拠点区域」を設定できます。その区域では避難指示解除に先行して、集中的に除染やインフラ整備が行われるのです。今、双葉町の中でも、双葉駅周辺がこの「特定復興再生拠点区域」に指定され、家屋の解体・建築が急速に進んでいます。

   しかしそれは一方で、帰還困難区域の現状が知られないまま失われることも意味するものです。

  • 復興への道のりは……
    復興への道のりは……

風化の進む帰還困難区域

「双葉町の現状を、五感すべてを使って感じてほしいです」

   案内をしてくださった双葉町役場の職員、Hさんから最初に言われたことです。

「ストーリーありきで入られる方も多いです。『荒廃した街並みが見たい』『復興の現場が見たい』『原発のひどさを伝える写真が撮りたい』などのリクエストをもらえばそういう場所にお連れします。でもなるべくなら先入観なく感じたままを伝えてほしい」

   他の土地では「被災者に配慮してなるべく写真は撮らないでください」と言われることも多かったのですが、Hさんはむしろ個人情報に配慮することは必要だが、そのうえで知ってほしい、伝えてほしい、と言います。

   その気持ちが少しだけわかったのは、東京に帰った後のことでした。見学の翌日友人に

「昨日帰還困難区域を案内してもらったんだ」

   と話したところ、

「福島ってまだ人が入れない場所があるの?」

   と驚かれました。

   じつは都内の官僚やマスコミの方でも、そういう方は少なくないそうです。

   私自身、周りには福島や電力・エネルギーに関係する人が多かったため、つい双葉・大熊のことは皆が知っている、と思ってしまいがちです。しかし、専門がまったく違う多くの方にとって、福島の現状はその程度の認識なのかもしれません。

   この「双葉町レポート」は、たった1日の見学をまとめたものです。また、感情的ではないまでも、主観的なレポートでもあります。そうすることで、福島のことをまったく知らない方も、事実としてすでに知っている方も、自分事という角度で改めて原発事故後の暮らしを考えるきっかけになれば、と思っています。

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