嵐が語りかけてくれたこと
このような、今回の嵐の活動無期限停止宣言を期に気づかされた、ジャニーズ事務所のアイドルグループ・ビジネスの陰に見え隠れする「2つの過ち」は、じつは一般企業にもありがちな経営の落とし穴であると感じています。
ひとつは、企業経営でどんなヒット製品、商品を作り出したとしても、それは未来永劫続くものではなく、長期的な製品戦略、商品戦略なくして企業の永続的な発展はない、ということ。
そしてもう一つ、どんなに業績が伸びていようとも、働く人々の気持ちや感情を考えることなく進めていくなら、必ずどこかしらから破たんが生じてくるということ。それを放置すれば、致命傷にもなりかねないということです。
どんな製品、商品も個々に寿命があるのだということ、どんなに業績が伸びていようとも携わる人々への配慮を忘れることは、目の前の繁栄と隣り合わせに崩壊が存在しているということを忘れてはならない――。
商品として長年にわたり働き詰めの末、ある種の反乱を起こしたトップアイドルグループのメンバーたちは、我々に語りかけているように思えます。(大関暁夫)
